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柴又帝釈天で「お神酒あげ」-境内の松に日本酒110本、一気に注ぎ込む

一升瓶を手に松の根へ日本酒を注ぎ込む参拝客

一升瓶を手に松の根へ日本酒を注ぎ込む参拝客

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 題経寺(=柴又帝釈天、葛飾区柴又7)で2月25日、境内の松に日本酒を注ぐ「お神酒あげ」が行われた。

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 対象となった「瑞龍(ずいりゅう)の松」は、二天門の正面に位置する帝釈堂に向かって左側に植えられている、高さ約12メートル・樹齢およそ500年の古木。10メートル以上ある枝を帝釈堂の前に大きく広げる姿が、まるで一匹の龍がそこに横たわっているように見えることから、その名が付いた。映画「男はつらいよ」の寅さんが産湯に使ったとされる御神水はこの松の下で湧き出ている。

 同行事は松の根に日本酒を注ぎ込む行事で、葉や木肌を新鮮に色・つや良く保つための手入れの一つ。植木職人たちが毎年この時期に行い、帝釈天の風物詩となっている。僧侶がお神酒を注ぎ込んだ後、見学に訪れていた参拝客30人ほども一緒に体験。僧侶や植木職人の指示を受けながら一升瓶を抱え溝に注ぎ、110本もの日本酒が一斉に注がれたため、境内一面に線香の香りとともに、日本酒独特の芳醇(ほうじゅん)な香りが立ち込めた。約10分で、用意した全ての酒が注ぎ込まれ終了した。

 植木職人の米山光男さんは「松の根の周りを掘ってお神酒や肥料を入れると根が丈夫になり、6 月ごろの芽吹きの時期に葉の色つやが良くなる」と話す。「たくさんの人に協力してもらったので松もより一層元気に育ってくれると思う。何百年も長生きして参拝客を見守ってほしい」とも。

 参加した30代女性は「お神酒をあげることは、以前、邃渓園(すいけいえん・同寺の庭園)に来た際に知り参加するのを楽しみにしていた。帝釈天をずっと見守ってきた松だと聞いたので、お礼の気持ちを込めて日本酒を注いだ」と話していた。

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