テクノプラザかつしか(葛飾区青戸7)で5月24日・25日、「葛飾区伝統産業職人会まつり」が開かれた。
今回で20回目を数える同イベント。同会に加盟する職人20人ほどが展示・即売・実演を行い、銀製品、たわし、唐木細工などを並べ、江戸切り子のブースでは来場者が体験できるコーナーも設けた。
江戸時代から引き継がれる伝統産業だが後継者問題は深刻。職人が高齢となり、区内からも漆塗りや江戸唐紙の技術が失われたという。同会会長で江戸木彫刻の職人・福島政山さん「10年後、20年後生きているかわからないからこそ頭が痛い」とも。
過去、「弟子入り支援事業」として区から助成金が下り、若い世代が入った技術もあるが、数軒ほど。「やりたい、と意思表示する若者がいない訳ではない。ただ、受注や販路が減っているため、弟子を取りたくても取れないのが現実」福島さんは根本の原因を話す。
こうした問題の一助となっているのが、企画・デザインなどの有限責任事業組合の「コ・ラボ」。区内の伝統産業商品を販売するウェブサイトの開設・運営のほか、職人に新たなアイデアを投げ掛け、今の時代にマッチする商品を開発。べっ甲で作られた型抜きしおりや、唐木細工のボールペンなどが人気だという。「一度無くなってしまった技術は復活させることが大変なので、これからもいろいろなアイデアを出していきたい」と同組合の細野勝則さんは。
福島さんは「コ・ラボのような若い人たちとの協業はとても有益。職人も新しい商品にどんどんチャレンジしていく。もっと広くこれらの技術をいろいろな人に知ってもらい、興味を持ってもらえれば」とも。