健康プラザかつしか(葛飾区青戸4)で6月21日、「子ども和菓子教室」が開かれた。主催は葛飾菓子組合、共催は葛飾区保健所。
同イベントは、食育月間に合わせたもので和菓子は初めての試み。当日は区内の小学生32人が集まり満席となった。観覧する保護者も多く、会場は活気に包まれた。
作られたものは「手形もの」4品。職人の手技だけでかたどる季節の上生菓子で、和菓子製造の華ともいわれている。「あじさい」「あさがお」「ひまわり」「菊」の4品があり、テーブルを移動しながら、各2つずつ製作。出来上がったものから箱に詰められ、最終的には8個詰めの菓子折りが完成する。
参加した小学生たちはちゅうちょすることなく製作に挑んだ。「朝顔の形を思い出して作ろう」「この葉っぱはようかんでできている」「温めた寒天はなめらかだけれど、2~3分で固まる」など、職人の話や技に驚いていた。「楽しかった。飾り付けのバランスが面白い」(5年生)、「つまみ食いがおいしかった」(2年生)、「意外と簡単にできてうれしい」(3年生)、「初めてで楽しかった」(1年生)などの声が聞かれた。
同イベントは、6月の食育月間に合わせ企画された。「食への関心を高める機会を作りたい。昨年、一昨年と洋菓子組合主催でのケーキ教室だったため、今年は和菓子の組合にお願いした」と葛飾区保健所健康推進課の藤野秀市さん。「和菓子は季節感あふれる食品だし、職人さんならではのお話にも期待した」とも。
講師は、菓匠岩月(東金町6)、梅むら(亀有5)、いゝ島(柴又1)の和菓子職人。「子どもに教えるのは初めて。こちらの方が緊張している」「どうやったら飽きずに、小学生でも簡単にできるか苦心した」と口々に語った。どの品物も、練り切りあんなどのベースをあらかじめ作り込み、少ない作業工程で和菓子作りの魅力が伝わるように工夫されていた。
子どもたちの様子や出来上がった和菓子を見た保護者は「和菓子を食べる機会がないし、好き嫌いも多いけれど、自分で作った味はきっと格別。いいきっかけになる」「お菓子がきれい。本当に楽しそう」「職人さんに教わるなんて貴重な機会」などの声が聞かれた。
締めくくりは、職人の和菓子を景品にしたじゃんけん大会で盛り上がった。制作実演も、多くの子どもたちや保護者が取り囲み、その技を食い入るように見ていた。