東京理科大学葛飾キャンパス「未来わくわく館」(葛飾区新宿6、TEL 03-5876-6790)で8月22日、「夏休み自由研究教室」が行われた。主催は葛飾区教育委員会。
同イベントは昨年から始まったもので、同大の学生が小学生の夏休みの課題「自由研究」の相談に乗るもの。教育委員会指導室の塩尻浩さんは、「そもそも何をやったらいいのか分からないという児童にも、たくさんの引き出しを持った大学生が、話を聞きながら提案してくれる」と話す。今年の来場者は78人。当日は14人の学生スタッフが迎えた。
学生の大嶽結衣さんは、小学6年生児童にパラシュートの実験を提案。「科学雑誌を見せたら手作りパラシュートのページに興味を持ったようだったので、それを実験にして結果をまとめる方法を紹介した」と話す。児童も「これなら今からでもできそう」と手応えを感じたようだった。
小学3年生の善養寺直也くんは、セミの抜け殻を400個集めて種類を調べ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミのデータを集めたが、結果をどのようにまとめるといいかを相談したいと、母親の千夏さんと訪れた。羽化の瞬間もカメラに収め、日時や観察の記録などをメモしてあるため、学生からは「それらの資料を基に表を作ること」「セミの写真や図鑑の絵を入れること」「出典を明記すること」などのアドバイスがあった。千夏さんは、「実験や調査は子どもだけでもできるが、そこから得た結果をまとめたり、考察したりすることはまだ難しいので参考になった」と感心した様子。今回の研究を「葛飾科学みらいコンクール」に出品する予定だとも。
「葛飾みらい科学コンクール」は、今年から教育委員会主催で行われるコンクール。理科好きの子どもを育てるのが目的。審査対象は夏休みに提出される自由研究で、各校で選抜された自由研究が教育委員会の審査を経て、11月下旬に同館で一般公開される。その中から「東京理科大学学長賞」と「教育長賞」が授与され、受賞者は同大学の600人収容できるホールで大々的に表彰される。
塩尻さんは「自由研究に取り組むことで、科学的なものの見方、自然の事象を探求する面白さを子どもたちに知ってもらい、理数教育の充実を図りたい。理科好きな子どもを育てる機会になれば」と話した。