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青戸児童館で、「子ども向け」俳句教室-講師は「かつしか文学賞」優秀賞受賞者

自作の句を短冊に清書する児童

自作の句を短冊に清書する児童

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 青戸児童館(葛飾区青戸3)で10月4日、「かつしか文学賞」受賞者の小林隆猛さんによる「子ども向け」の俳句教室が開催された。

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 葛飾区の地域振興の一助として「かつしか文化創造」を掲げ、2010年に始まった同文学賞。作品は1冊にまとめられ、区内の書店などで販売されている。小林さんは「たそがれの青砥(あおと)橋」で第2回の同賞・優秀賞を受賞。

 小林さんが同教室を始めた2002年当時、民生委員・児童委員をしていた関係で、たびたび青戸児童館を訪れることがあり、同館から「俳句をやっているなら、子ども向けの俳句教室をぜひ」と打診があったという。以来、春夏秋冬ごとに年4回、12年間行っている。

 同教室の内容は、季語のプリントで配ることから。俳句には、季語が必要であることを説明し、プリントの中から使いたい季語を選ばせる。さらに「5,7,5の文章を考えること」「空想ではなく、実際に見たこと、体験したことを描く」という指導が行われた。下書き用の用紙は、5,7,5の文字数でマス目となり、子どもでも創作しやすいように工夫されている。

 同日は、小学1~3年生12人が参加。開始時間前、同館図書室に子どもたちが集まり、「今日はなんて作ろうか」と、慣れた手付きで下書きの句を書き、次々と8句ほど作ってしまう子どももいれば、1句を作るにも四苦八苦する子も。子どもたちは下書きの中から自分で良いと思う句を選び、短冊に清書して提出する。小林さんは巡回するものの、子どもからの呼び掛けに対して言葉を少し挟むのみでほとんど手直しはしない。「子どもの感性を尊重し、基本的には直さない」と小林さん。悩んでいる子には、ちょっとしたヒントを出すこともある。

 でき上がった俳句は小林さんがまとめ、「俳句通信」として発行している。参加児童の句は次の通り。

「ぶどうかき きのこくりなし おいしそう」「うんどうかい みんなでおどるの たのしみだ」「もみじはね いろとりどりの はっぱあり」「かまきりが おおきくいきいき しているね」。

 児童からは 「今日で3回目。俳句を考えるのは楽しい」「一度考えたものを分解して使うと、いろいろなイメージになって面白い」という感想も。児童館の指導員・山本有美さんは「とても好きで毎回楽しみにしている子どももいる。思いが湧き出てくるのを感じた。とてもすてきな機会」と話す。小林さんは「今日も一生懸命作っていてとてもよかった。これからも子どもたちの感性を大切にしていきたい」と期待を込める。

 次回開催は、1月17日の予定。

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