![消防隊による一斉放水](https://images.keizai.biz/katsushika_keizai/headline/1422856526_photo.jpg)
金町消防署は1月23日、文化財防火デーに伴い、帝釈天(たいしゃくてん)題教寺(柴又帝釈天、葛飾区柴又7)で消防演習を実施した。
「文化財防火デー」は1月26日。1949(昭和24)年の同日に、奈良県の法隆寺金堂で起きた火災で歴史的価値の高い文化財が焼損したことをきっかけに定められた。文化財建築物を守るため、全国で消防と地域住民が協力し消防演習が行われる。
同日は一日消防署長として、映画「男はつらいよ」7代目マドンナ役・榊原るみさんの長女で女優の松下恵さんを招き、バケツ消化隊長として「寅さんものまね芸人」の野口寅次郎さんも登場。一日消防署長交付式では、昨年の一日消防署長である榊原さんも登場し、親子でたすきをつないだ。
同演習は、題経寺帝釈堂から出火し、本堂へ火災が延焼拡大したという想定。榊原さんが寅さんに火災発生を知らせ、寅さんが参道を走り「帝釈天が火事だー!」と大声で叫ぶと、商店街と住民によるバケツリレーが素早く行われた。その後、消防隊・消防団・市民消化隊などが協力し、松下さんの「一斉放水はじめ!」という合図で約10秒間の一斉放水を実施。約30分に及ぶ消防演習は無事終了した。
演習を終え、金町消防署の署長・會田幸子さんから講評があり、見学に来ていた近隣幼稚園の園児に向け「1つだけ約束を守ってほしい。自分たちだけで火を使うのは絶対にやめること」と注意を呼び掛けた。
松下さんは「初めての一日消防署長で緊張したが、けが無く無事終了できて良かった。金町消防署は女性の消防署長ということで、こういった場面で冷静に指揮を執れるのは本当にすごいと思う」と話し、「自分の街を自分で守るという姿、葛飾の人々の柴又への愛情を感じた。この素晴らしい文化財を地域で守り続けてほしい」とエールを送った。