東京スカイツリーと葛飾の「ものづくり」を見学する葛飾区産業観光体験モニターツアーが2月27日、開催された。主催は葛飾区地域振興部観光課、実施は「東武トラベル」(墨田区)に委託。
参加者は、練馬区、墨田区、足立区、群馬県、茨城県など、さまざまな地域から集まった25人。募集開始早々、定員に達したという。企画趣旨について、観光課の原山勇人さんは「東京スカイツリー周辺の観光客を葛飾区に呼び込むため、スカイツリーにも使われた葛飾のものづくりをPRする」と話す。
東京スカイツリーの展望デッキを見学した一行は、エレベーター内部の装飾を担当した「清水硝子」(葛飾区堀切4)へ。工房では20代の若手職人から82歳の工場長、計7人が作業中で、ツアー参加者は熱心に見入っていた。足立区から参加した高橋重信さんと喜代子さんは「美しさと繊細な技に感動した。作業工程を見てから商品を見ると、まったく違う。ニュージーランドに行く予定があるので、お土産に持って行きたい」と話した。
続いて「タカラトミー」(立石7)へ移動し、会社案内DVDを視聴した後、環境への取り組みの説明を受け、歴代おもちゃのアーカイブルームを見学。その後、「黒ひげ危機一発」「次世代型ゴム銃 Gショット」「オムニボット」、大型の「ジェンガ」などで楽しんだ。最後は、「リカちゃん」「黒ひげ危機一髪」の着ぐるみとの記念撮影会も。墨田区の鐘撞眞由美さんは「自分の世代のおもちゃがあって盛り上がった」という。
最後に、「伝統産業館」(同)で「銀の指輪」づくり体験。講師は、葛飾区認定の伝統工芸士、東京銀器の西山文章さん。指輪のサイズを測って、銀をハンマーでたたき伸ばしていく。カンカンと音の鳴り響く中、積極的に職人に質問する姿も見られた。
ツアーを終え、参加者からは「江戸切子を見て、懐かしいおもちゃも見て、指輪づくりもできるなんて」と声が上がった。電車と徒歩での移動だったため、「自分の家の近所には、こんな商店街はないから楽しい」「気になる店をのぞきながら歩けるのがいい」「普段は車なので新鮮」など、区外から来た人ならでは感想も聞かれた。
原山さんは「大人の社会科見学として楽しんでもらえた」と手応えを話し、今回のモニターツアーを基に、商品にできるようブラッシュアップし、定期的な開催を目指したい」と今後の抱負を語った。