テクノプラザかつしか(葛飾区青戸7)で3月10日、「ビジネス・コン葛」が開催された。主催は、かつしか異業種交流会。
1月9日のプレイベントに引き続き開催された区内の「ビジネスマッチング」イベントで、45回の実績を持つ「葛飾区受注情報交換会」を装い新たにしたもの。「世の中にないビジネスマッチング会」めざし、遊び心を交えて「ビジネス・コン葛」と命名した。そのネーミングのユニークさに参加企業も多く、当初80社としていた募集に対し参加企業は105社139人。業種は、たこ焼き店、ディーラー、大学、メーカー、伝統工芸、老人ホーム、映像制作、社会保険労務士、サッカークラブ、整備工場、整骨院、機械製作など多岐にわたった。
同イベントの特徴は「お見合いボード」。A4大のボードに、社名、業種、参加地区、氏名、役職、自社PRを記入して首から提げ、会話のきっかけを作る。通常、ビジネスマッチングの会では名簿が配られるが、それも無い。狙いについて、「ビジネスは人対人。顔を見て話すことから何かが生まれる。参加者の主体性を重視した」と実行委員長の橋本源則さん。「長年、異業種交流に関わっているが、こういう形は初。成果が出れば次回にもつなげていきたい」と、かつしか異業種交流会の長保行さんは期待を込める。
「コン・葛パーティー、スタート」という司会の掛け声で、1時間半の「第1部アプローチタイム」がスタート。参加者は自社の資料を手に回遊し、名刺交換しながら交流を図った。会場の両サイドには各社の商品を展示。会場中央に赤い番傘の「あいあい傘」コーナーを設け、「出合いたい企業」を申し出ると司会者がマイクで呼び出し、傘の下で落ち合う仕組みも。
リラックスタイムを挟み「第2部プロポーズタイム」に突入すると、アプローチタイム中に興味を持った企業にそれぞれがアタック。第1部で雰囲気も和らぎ、初盤から積極的な名刺交換が行われ、会場には笑顔があふれていた。
参加した「NPO法人さんばはうす葛飾」助産師の井出陽子さんは、「名前を知ってもらうことと、地元企業とのつながりを求めて参加した。とても楽しかった。自分たちもコラボレーションできそう」と語った。スクリーン印刷「ツカサ化工」の鷹見篤司さんは「印刷会社は、工場で顧客からの仕事をこなす毎日。次の一手を打ちにくいので、出会いを求めて参加した。こういう場はありがたい」と自社技術を披露していた。毎年、「受注情報交換会」に参加してきたという三研工業の岩田守正さんは、「以前は円卓に座って順番に自己紹介する形だった。今回は自由に好きな人と話せるし、楽しい。これからもこの形でいってほしい」と笑顔を見せた。
「参加者が序盤から積極的に話をしていたので、ほっとした」と、橋本さん。「熱気にあふれていたのは、同じ志の人が集まったから。長い目で助け合える関係性が生まれ、同区が盛り上がれば」と目を細めた。
次回開催は未定だが、アンケートでは回収数119のうち、「次回もぜひ参加したい」「新たな仲間が見つけられた」がいずれも93人と評価は上々。フリーアンサーでは「灯台下暗しを発見した。継続発展させてほしい」という意見もあった。「アンケート結果を基に検討を重ねたい」と橋本さんは今後を見据えた。