東京都立農産高校(葛飾区西亀有1)に4月7日、自動で水やりを行うことができるフラワーモニュメント、フラワーメリーゴーランドの試作1号機が設置された。同校の生徒が1年間運用する予定。
同区の駅前や公園施設では、花壇やコンテナ、ハンギングバスケットなど、さまざまな手法で花を育てる活動が行われている中、主な課題に「水源の確保」がある。新たな水栓の設置だけでなく、水やり、追肥など日常の管理も規模が大きくなるほど負担は大きくなる。同機はこれらの課題を解決するために、かつしか花いっぱいのまちづくり推進協議会が考案したもの。
設置面積は1平方メートル、貯水量は200リットル、80株の苗を設置可能。機体の上部に設置されたソーラーパネルで太陽光発電を行うことで電力を供給する。
同団体は、2014年に発足し、街で花を育てる活動を通じて、地域美化の向上や多世代のコミュニケーションづくり、地域活動の活性を目指している。
開発のコンセプトは、設置場所の効率的活用、タンクなどにためた水で自動で水やりを行う、追肥が容易に行える、ローコスト・ローメンテナンスに設置・維持管理ができること。
開発チームの同区環境課の早坂幸一郎さんは「花壇はとにかく手がかかるが、街の景観だけでなく、世話をする人が現場に行く事で公園では犯罪の抑止になったり、コミュニケーションの場になったりと、メリットは大きい。今回の企画で世話をする人の負担の軽減になれば」と話す。
同校の並川直人校長は「生徒には仮説を立てて検証することで運用の科学性を高めてほしい。科学する目を育むにはもってこいの教材」と話す。
同会のメンバーであり、同機の中核となる貯水タンクの技術の提供と取り扱い窓口を担当する、サンエービルドシステム(葛飾区堀切1)の山本博子さんは「花壇はしゃがんでの作業が多いが、これなら立って作業ができるのがうれしい」と笑顔を見せる。