葛飾区内の町工場を見て体験できる「かつしかライブファクトリー2021」が11月27日、区内8カ所で開催された。
同イベントは2019年、区内の町工場9社が工場見学をしてもらいたいという思いから企画し、今回で3回目。参加者は工場を見学しながら、「水筒にレーザー刻印」「ヌメ牛革を使って皮革染色」などの体験を行う。
段ボール製造を手掛けて61年になる坪川製箱所(葛飾区東四つ木1)では、家をかたどったオリジナル段ボールの組み立て商品「もくもくイエー」を使った小物入れの制作と塗り絵の体験を行った。同商品は、昨年の緊急事態宣言時にパート従業員が子連れで出勤した際、子どもが段ボール工作で楽しく遊んでいた様子から、昨年の「かつしかライブファクトリー」でも使用し好評で、製品化につながった。
「もくもく」の名称は、家の煙突から煙が出ているように見える様子と、「黙々と塗る」という楽しく真剣に取り組む姿勢の意味が込められている。親子で参加した30代男性は「真剣に塗ると結構ハマる。段ボール工作を身近に感じた」と話す。
葛飾区は世界に誇る技術を持つ町工場が多いが、この20年、その数は減少しつづけ、各工場が何を作っているかを知らない人が多くなっているという。同製箱所の坪川恵子さんは「地域の会社が何を作っているかを知ってもらうことも地域貢献につながる。近隣の方にも理解してもらいながら、ものづくりができれば」と話す。
来年以降について、「今年はコロナ禍で参加する町工場を増やすことが難しかったが、1社でも2社でも増えていってほしい。イベントを通して地域の町工場に就職する人が増えてくれれば」と期待を込める。