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葛飾のプロパノータ工房が自動演奏装置開発 多くの人に音色を届けたい

プロパノータをたたく菅井肇さん

プロパノータをたたく菅井肇さん

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 葛飾・白鳥の「スガイ打楽器製作所」(葛飾区白鳥3)で製造・販売している打楽器「プロパノータ」の自動演奏装置の販売が1月23日、始まった。

「プロパノータ」と自動演奏装置

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 プロパノータとは、箱状の筐体(きょうたい)に音が出るように切り込み(スリット)を入れた打楽器「スリットドラム」の一種で、廃棄処分されるプロパンガスのボンベを再加工して作る創作楽器。10年ほど前からさまざまな名称で、世界各地で製作されているという。音階を持っているので、たたくだけではなく、曲を演奏することもできる。

 プロパノータを製作する職人は同製作所を一人で運営する菅井肇さん。プロパノータの名称は、プロパンボンベの「プロパン」とスペイン語で音を意味する「ノータ」を組み合わせた名付けた造語で、菅井さんが名付けた。

 バックパッカーだった菅井さんは、南米でアフリカ楽器のジャンベに出合ってから定期的に打楽器に触れてきた。その後、2000(平成12)年に静岡県で花火職人となったが、2011(平成23)年からプロパノータの製作・販売を開始、2016(平成28)年に現在の場所に移り製作を続けている。

 昨夏から構想があったというプロパノータの自動演奏装置について、菅井さんは「自分自身が楽器を演奏することが楽しいので、プロパノータを購入する人もみんな楽器をやりたいのだと思っていたが、その特徴でもある癒やし系の音色を聴きたいと思っている人が多く、聴きたい人が多いなら自動で鳴るものがあっていいかもしれない」と開発を始めたという。ツイッターへ投稿した試作品の動画は21万回以上再生されるなど反響を見せ、昨年末までの完成を目指し試作を繰り返していた。

 菅井さんには、かつて静岡で出会った重度障がいの少年に自動演奏装置を届けたいという目標があった。「身体の不自由な子で直接演奏できないけれど音色を気に入ってもらいプロパノータを購入してくれた。クリスマス前日が誕生日だったので、その日にプレゼントしたかった」と言い、当日はコロナ禍のため直接会うことはできなかったが静岡に届けに行ったという。それから約1カ月、改良を重ね乾電池駆動からUSBケーブルを使って電源を取れる形態にして正式販売に至った。

 菅井さんは「ぜひ多くの方に工房に足を運んでもらって直接音色を聴いてほしい」と話す。同製作所では、演奏体験も随時受け付けている。

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