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かつしかFMの長寿番組が25年の歴史に幕 地元の女性たちの声を届け続ける

かつしかFMから感謝状を受け取る「葛飾女性会議」メンバーの皆さん

かつしかFMから感謝状を受け取る「葛飾女性会議」メンバーの皆さん

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 かつしかFMで1997(平成9)年の開局当初から放送していた番組「葛飾女性会議」が、3月8日の放送で最終回を迎えた。

2005年に番組表の表紙となった際の写真

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 同番組は生放送で、葛飾区内で女性の地位向上を目指して情報誌などの発行をしている団体「かつしか女性会議」のメンバーが交代で出演し、企画構成まで行っていた。放送開始から23年間は「女性の声が見えるラジオ」の番組名で放送しており、一時期は毎週放送の帯番組だったが、2020年より現在の「葛飾女性会議」のタイトルで月1回の放送スタイルとなっていた。

 開局のタイミングで「出演してほしい」と声を掛けられたという植竹愛子さん(81)は「ラジオの生放送なんて、とんでもないと思った」という。しかし当時は女性の問題を話す機会がなく、周りに他の女性団体もほとんど無かったため、「仲間となら何とかできるかもしれない」と考え引き受けたという。

 所属していたメンバーや出演者に変更もあったが、第1回から継続して出演している黒崎律子さん(78)は「始めたころは(ミキサー)卓の操作も練習していた」と言い、「思い出はきりがないほどあるが、ラジオ局に迷惑をかけず、放送事故を起こさずにやってこられたことは誇り」と話す。

 最終回の放送では、現在の担当メンバーが全員スタジオに集結。番組では葛飾在住の人たちにゲスト出演してもらっていたが、「顔の分かる近所のおじさんやおばさんが、ラジオだから話してくれる話や普段の会話では話さない身の上話、苦労話までしゃべってもらっていた」「普段生活しているだけでは聴けない話を聴けた。一人一人生きている限り、みんながいろいろな歴史を持っていると実感した」と、これまでの放送を振り返る。

 最終回の放送を終えた直後、出演者の吉沼紀子さん(68)は「心がけていたことは、自分自身が感動したことをリスナーに伝えること。プロではないのでうまくは伝えられないが、丁寧に伝えようとしていた」と言い、「自分自身が成長できた。人にうまく伝えるにはどうすればいいか、さまざまな出来事に対して感度が良くなったと思う」と、これまでの気持ちを明かした。

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