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葛飾・北星鉛筆が「鉛筆屋のボールペン・シャープペン」発売 鉛筆を思わせる木軸とフォルム

北星鉛筆社長の杉谷龍一さん

北星鉛筆社長の杉谷龍一さん

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 葛飾・四つ木の北星鉛筆(葛飾区四つ木1)が3月26日、「鉛筆屋のボールペンW」と「鉛筆屋のシャープペンW07」を発売した。

「鉛筆屋のボールペン・シャープペン」鉛筆を思わせるフォルム

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 同社は、1951(昭和26)年創業の鉛筆製造会社。創業当時より、メーカーから依頼されて木軸のボールペンやシャープペンシルを製造しており、日本で最も古い国産ボールペンは同社が生産していたという。しかし、プラスチック製の商品が主流になったこともあり、30年ほど前に製造を中止。同社はボールペンの中芯を作る技術を持っておらず、他社の中芯を勧めにくいという事情もボールペンやシャープペンシルの製造を継続しなかった理由だという。

 今回発売した同商品(各660円)を開発するきっかけとなったのは、総合筆記具メーカーのパイロットコーポレーション(中央区)との業務提携だったという。同商品は、いずれも同社が製造している鉛筆と同じ木で軸が作られており、中芯にはパイロットコーポレーション製のものが使われている。「いろいろなメーカーのものを試してみたが、パイロットコーポレーションの中芯の書き味がとても良いと感じた。一般的に流通している芯なので、長く使っていただける」と社長の杉谷龍一さんは話す。

 同社創業60周年を記念して発売した商品「大人の鉛筆」の利用者から「『大人の鉛筆』のボールペンやシャープペンシルも出してほしい」という声が多数寄せられていたことも、同商品の開発を後押ししたという。「大人の鉛筆」は、シャープペンシルの構造を持ちつつも、木軸で、芯は付属の鉛筆削りで削るという、鉛筆とシャープペンシルの特徴を併せ持った商品。「鉛筆屋のシャープペン」は、「大人の鉛筆」の木のぬくもりや使用感を残しつつ、ノック部分とペン先、クリップには国産金属部品を使い、さまざまな筆圧に対応できる、折れにくい0.7ミリ芯を採用。「シャープペンシルながら、鉛筆のような、柔らかく、滑らかな書き心地が特徴」だという。

 同商品はパッケージにもこだわる。同社は、かねて鉛筆を製造する工程で出る「おがくず」をリサイクルし、粘土や絵の具、着火薪(まき)など「地球に優しい商品」を多数、企画・製造してきた。同商品のパッケージには一切プラスチック素材を使っておらず、100%紙製。鉛筆がちょうど6本入る大きさにしており、他の商品のパッケージなどにも使えるよう杉谷さん自らがデザインした。

 同商品自体も極力、プラスチック素材を減らすよう努めたという。「木材を使うのは環境破壊だと言われていた時代もあった。だが有限素材とは異なり、木は人間が管理し、増やせる素材。脱プラが叫ばれる今、改めて木軸のボールペンやシャープペンを製造、販売する意義は大きい」と、杉谷さんは開発、販売に懸ける思いを話す。

 同商品は現在、いずれも「大人が使いやすいシックな色合い」の4色展開だが、杉谷さんは「今後は中高生にも使ってもらいやすい明るいカラーを増やしていきたい」と意気込みを見せる。

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