亀有の総合格闘技ジム「K-Clann(ケークラン)」(葛飾区亀有1)の伊澤星花選手が9月25日、格闘技イベント「RIZIN(ライジン).38」に出場し、「RIZIN WORLD GP2022 スーパーアトム級トーナメント2回戦」で、ウクライナのアナスタシア・スヴェッキスカ選手相手に一本勝ちした。
伊澤選手は2020年10月、総合格闘技でプロデビュー。プロ3戦目でDEEP JEWELSストロー級王者となり、今年4月に行われた「RIZIN.35」でRIZIN女子スーパーアトム級王者・浜崎朱加選手に挑み、一進一退の攻防の末に勝利を収め、わずか6戦目でRIZIN王者に輝いた。その勢いのまま今年7月の「RIZIN.37」からスタートした「RIZIN WORLD GP2022 スーパーアトム級トーナメント」へエントリー。1回戦でブラジルのラーラ・フォントーラ選手を撃破し、2回戦へと駒を進めた。
第1ラウンド開始早々、上背のあるアナスタシア選手の右ミドルキックに合わせ、伊澤選手がタックル。得意のグラウンドの攻防に持ち込む。仰向けのアナスタシア選手の上を取った伊澤選手は打ち下ろすパンチを連打。体勢を変えようと動くアナスタシア選手の膝、足首を狙い続け主導権を握る。
第2ラウンドは、アナスタシア選手が伊澤選手のバックブローに合わせて組み付き、寝技の展開へ。上を取られた伊澤選手は、背中をリングに着けたままパンチや肘打ちで応戦。足首を狙われたアナスタシア選手は立ち上がろうとするが、伊澤選手がそれを許さずに寝技の展開へ引き戻す。優位なポジションで主導権を握った伊澤選手が寝技を仕掛け続け、最後は左腕十字固めでフィニッシュ。第2ラウンド残り4秒で一本勝ちを決めた。
試合後、伊澤選手はアナスタシア選手の元へ駆け寄り、互いの健闘をたたえ合い抱擁。今なおロシアとの戦争に苦しむウクライナの国旗を両選手が掲げ、ファンの声援に応えた。
伊澤選手は「アナスタシア選手は大変な中、遠いところから来てくれた。本当に強くて試合中ずっと怖かったが、試合の中で初めて相手と通じ合えた」と、勝利者マイクでアナスタシア選手の勇気と実力を称賛した。
伊澤選手はこの勝利で同トーナメント決勝戦進出が決定。大みそかに韓国のパク・シウ選手と日韓対決に挑む。