葛飾区の水元公園(葛飾区水元公園3)全域で5月7日、2回目となるカワセミの個体数調査が行われ、5月10日に調査結果が発表された。
豊かな水辺環境を必要とするカワセミは、かつては幻の鳥といわれ、東京都では1970年代、八王子以西でしか見られない鳥だったが、1980年代、少しずつ都内広範囲で見られるようになり、水元公園でも徐々にその姿を観察できるようになってきたという。
葛飾区は1989(平成元)年より、水元公園の水質を改善するため水質浄化対策事業「カムバックかわせみ作戦」を実施。今回の調査は同事業を進めることで、どれほどのカワセミが確認できるようになったかを調べるために行った。
カワセミ個体数調査は、水元小合溜(こあいだめ)に生息している生き物を呼び戻すことを目的として1995(平成7)年に開設された「水元かわせみの里」のスタッフとボランティアを含めて計63人で1時間かけて行った。調査結果はカワセミ確認回数が合計で21回。同施設の野間隆太郎さんは「推定される個体数は3~5羽と考えられる」と話す。1月に行われた1回目の調査では6~7羽の個体数が確認されているため、減少したことになる。
野間さんは「今回の調査はカワセミの繁殖期に行われ、個体数は増加の見込みだった。しかし減少したということは、水元公園内には繁殖に適した環境が少ない可能性が高い。まだ2回目の調査なので、今後も継続していきたい」と言い、「今の時季は冬ほど多くは見られないかもしれないが、公園の南側では複数のカワセミが活動しているので、ぜひ観察してほしい」と呼びかける。
次回の調査は11月26日を予定。