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区内では買えない清酒「葛飾の花」、亀有の酒販店で初の一般販売開始

葛飾の花を持った高沢さん

葛飾の花を持った高沢さん

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 葛飾区民が中心となって結成した「葛飾酒作り本舗」が精米・醸造したオリジナル純米酒「葛飾の花」の販売先が決まり、販売が始まった。

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 同商品は、会員自ら福島県塙町で育成した米をもとに、藤井酒造店(福島県矢祭町)で醸造したもの。会のきっかけについて、会員で葛飾区郷土と天文の博物館(葛飾区白鳥3)学芸員の堀充宏さんは「葛飾区にはかつて地域で育成した米を元に酒造りしていた資料が残っていた。葛飾の人間の手で日本酒を復活させたいという会員を集めて会を発足させた」と話す。

 当初会員たちは日本酒を醸造するタンクの一部を商品として製造していたが、昨年から1つのタンクで製造する方針に変更。会員らの希望する味に近づけるメリットがあったものの、ロット上の問題から4合瓶(720ミリリットル)換算で約4,000本を製造。その結果、1年経過する現在も在庫は約半数ほど残り、会は問題を抱えている。

 この問題について、会員で博物館専門調査員の小峰園子さんは「酒造りを中心に考えていて、会員以外に販売することをあまり重要視して考えていなかった。販売ルートを開拓しようと、会員で手分けして酒販店を回ったが、どこも応じてくれなかった」と肩を落とす。

 同商品は「葛飾区内で買えない酒」として新聞やラジオで取り上げられ話題に。そのニュースを聞いて亀有の酒販店「酒匠T-STYLE.」(葛飾区亀有3)が販売に名乗りを上げた。店主の高沢浩昭さんは「葛飾区の人が中心となり、歴史や関わった人々の努力など酒の中に込められたストーリーがあり、魅力を感じた」と話す。

 同店は区内初の販売店として11月20日から販売を開始。1本販売だけでなく、ギフト箱に包まれた贈答用2本組を用意。高沢さんは「今後は自分で飲むだけでなく、葛飾発信の新しい葛飾土産になってほしいという願いから贈答用を用意した。両さんグッズだけでなく、亀有に来た証になってもらえれば」と期待を寄せる。

 同会は12月19日、今年醸造した酒を試飲する新酒お披露目会を開く。「今後は新酒のお披露目会だけでなく、地域の神社で振る舞い酒なども計画している。12月からはインターネットを活用した情報発信も考えている。今回の活動でより多くの人にこの日本酒の魅力を知ってもらえれば」と小峰さん。

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