郷土と天文の博物館で「首都圏の酒造り」展-横丁酒場も再現

特設セットでは下町の居酒屋の雰囲気を再現。小峰さんの調査結果が隅々まで反映されている。

特設セットでは下町の居酒屋の雰囲気を再現。小峰さんの調査結果が隅々まで反映されている。

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 葛飾区郷土と天文の博物館(葛飾区白鳥3、TEL 3838-1101)で現在、特別展として「首都圏の酒造り」が開催されている。

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 同区にもかつては酒蔵などがあり、同区で採れた米を使った地酒が存在していた。今回は廃業した酒蔵から発見された酒だるなどを中心に、区内の酒造や酒屋に関する資料、葛飾近辺に残る酒造りの工程を描き奉納された絵馬や、同館が開催している「葛飾酒造り本舗」を通して作った日本酒「葛飾の花」なども展示している。

 会場では、特別展示室中央に昭和期に葛飾近辺に点在していた「横丁酒場」を再現。その中では下町で食べられている焼き鳥や煮込みなどのつまみのサンプルも展示。セット内にあるスナックの扉を開くと、そこにも展示品が設置しているなど「遊び」も用意している。

 展示スペースには同館専門調査員の小峰園子さんが約1年間かけて飲酒した量などを展示しながら、日本酒の需要や焼酎やビールなどの消費を見比べるユニークな展示も。小峰さんは「統計だけでなく、実感として日本酒が消費される料が少ないことに気づいた。発泡酒や焼酎サワーなどは比較して低価格で手に入るのも理由なのでは」と話す。

自身も酒を飲むのが好きだという小峰さんは、実際に酒蔵を訪問したり、下町の酒のつまみなどは足を運んで調査した。同展では「造る側だけでなく、日常にある飲む側としての目線を取り入れた」とし、「ただ飲むのだけでなく、背景や文化を知ってもらうことで、より楽しく飲めるきっかけになれば」と展示の狙いを話す。

開館時間は、火曜~木曜=9時~17時、金曜=9時~21時、土曜・日曜=9時~17時。休館日は月曜、第2・第4火曜日。同展は5月10日まで。

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