亀有のカフェ「nagicafe＋（ナギカフェ・プラス）」（葛飾区亀有3、TEL 03-3604-2887）で3月25日、東日本大震災の義援金を目的としたチャリティーコンサートが開催された。

　同店は震災後から「チャリティーラテ」の販売など行うなど、被災地への義援金集めをいち早く行っており、今回はチェリストの金子鈴太郎さんの呼びかけによってイベントが実現。当日は金子さんをはじめ5人の演奏者が集まった。

　開催のきっかけについて、金子さんは「いつも利用しているカフェでとても気に入っていた。今回の震災で仕事がキャンセルになるなど、何か自分でできることを考えていた」と話す。「被災地の方々は多くの苦労があると思うが、東京に住んでいる人たちもこの震災で重い空気になっている。不謹慎かもしれないが、この場に集まった人が音楽で元気が沸いてくれれば」とも。

　事前に同店や金子さんのブログで告知したイベントは当日2部制にするほどの大反響で、各部30人以上の観客が訪れた。金子さんたちはチェロやバイオリンなどで各ステージ2時間程度の演奏を行った。最後にアンコールとして同店をイメージした新曲「cafe（カフェ）」を披露。集まった観客は生演奏の響きに酔いしれた。

当日の演奏を終えた金子さんは「ホールで行うのとは異なり、電気を使わないで生の演奏が行える。演奏家としてもとても楽しめた」と振り返る。当日来場した20代の女性は「普段は録音などで聴くことが多かったが、生で演奏を聴くのは20年ぶり。ヘッドホンやスピーカーで聞くのと異なり、服の振動や肌を通して音楽を感じることができた」と感想を話す。

　同店では募金箱も用意し、当日のイベントだけでも約7万円の義援金が集まった。当日の売り上げの一部も募金に充てるという。「被災地で困っている人たちを思うと、東京にいて自分ができることは積極的に行っていきたいと思う。カフェとしてお客さまが居心地よくできる空間を作っていくのが何よりの仕事」とオーナーの森谷渚さん。

　「チャリティーに限らずこのようなスペースで演奏できたことがとてもうれしい。今後も機会があれば地元で行っていきたい」と金子さん。