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葛飾の鉛筆メーカーが鉛筆とタッチペンの融合商品-クリップ接触で動作

ノック部分でスマートフォンを操作する同商品。「携帯しやすいよう、サイズにもこだわっている」(杉谷専務)

ノック部分でスマートフォンを操作する同商品。「携帯しやすいよう、サイズにもこだわっている」(杉谷専務)

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 葛飾区内にある鉛筆製造メーカー「北星鉛筆」(葛飾区四つ木1、TEL 03-3693-0777)が3月上旬、鉛筆とスマートフォン・タブレット用タッチペンを融合した「大人の鉛筆に・タッチペン。」を発売する。

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 同社は1951(昭和26)年創業。現在は子ども用鉛筆・色鉛筆など年間約3000本を製造・販売している。鉛筆のほか、鉛筆制作の過程で発生するおがくずを再利用した粘土「もくねんさん」の開発や、鉛筆の生産見学や体験ができる「東京ペンシルラボ」の運営も行っている。

 2011年4月に発売された「大人の鉛筆」がベースになった同商品。鉛筆の形をしながら、芯のみがノックを押すことによってせり出してくるのが特徴。ノックを押しながら芯を押すと収納でき、シャープペンシルのような手軽さで鉛筆独自の質感を表現できる。発売から累計30万本を販売し、同年の日本文具大賞で優秀賞を受賞するほどのアイデア商品として発展してきた。

 開発について、同社専務の杉谷龍一さんは「キャップを脱着したり、鉛筆削りで先端をとがらせたりする面倒な行為が鉛筆離れの多くの原因と工場見学者からの意見があった。そこで、手に持つ部分は木の質感を生かしながら、シャープペンシルのようにノックで出し入れが簡単で、鉛筆の芯のみを削る専用の芯削りを用意するなど、大人が簡単に本格的に鉛筆を利用できるように考えた」と振り返る。

 新商品は、ノック部分に電気を通す伝導性フェルトを使用。伝導性フェルトを使うことにより、スマートフォンやタブレットのタッチペンとして使うことが可能になった。

 また、商品のクリップ部分に指などの人体が触れていないと通電せず、タッチ画面の操作が行えないのも同商品の特徴。「タブレットなどを人に見せながらプレゼンテーションする場合、指さしなどで誤操作してしまうことがある。この鉛筆の場合はクリップを触れなければプレゼン用の指示棒として使うこともできるように考えた。クリップ部分をタッチするだけで誤操作なくダブルタッチなど可能にし、ミスタッチなども軽減できる」とも。現在、クリップでスマートフォンを操作する技術は特許の申請中だ。

 同商品と同時に交換用伝導性フェルト(12枚)もセットで発売。フェルトは重ね付けすることが可能で、「iPhoneやiPadの場合、3枚ほど重ね付けすることによって感度がよくなる実証もある」という。

 今後については、「あくまでも当社は鉛筆の製造メーカー。アイデアを製品化するときには常に自社でできる技術と必要性を考えて開発している。今後も自社でしかできない開発を進めることが当社のこだわり。それを続けて多くの人に利用されたい」と話す。

 価格は819円。交換用伝導性フェルトは12枚入り157円。全国の百貨店・専門店などで販売予定。

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