テクノプラザかつしか(葛飾区青戸7)で7月11日、「葛飾区夏野菜品評会」が行われた。
53回目を迎える同品評会。会場には枝豆やナスなど野菜が31品目、全265点の野菜が展示され、都の農業振興事務所の職員や区民代表によって品評された。
今年の夏野菜に関して、担当する区産業経済課の佐藤香さんは「品数は大きく変わらなかったが、今年は猛暑の影響で枝豆・キュウリ・ナスの出荷に影響が出た。昨年に比べて1周間程度開催が遅かったが、その分トウモロコシの出品が多く目立った」と振り返る。
観測史上最長の5日連続で猛暑日が記録されたこの日、参加した農家からは暑さや水不足を嘆く声が多くあった。昨年栽培したトマトが最高賞を受賞した斉藤幸雄さんは「梅雨明けも早く水が少ない。ここ数日に関しては異常な暑さ。2年前も猛暑で大変だったが、今年はそれを上回る」と困惑の様子を見せる。
品評員の審査によって今年の最高賞である都知事賞を受賞したのは、水元6丁目在住の農家・木下憲明さん(65)が栽培した枝豆。枝ぶりのよさとバランスの取れた実が評価された。
以前は自動車部品製造の開発を行っていたが、25年前に家業の農家を継いだ木下さん。枝豆の栽培について「葉物野菜に比べて豆ものは見た目が大事。大きくなりすぎても不格好になり、小さな枝ぶりだと商品価値が下がる。特別なことは行っていないが、豆と会話するように丁寧に栽培することが大事」と話す。
連日の猛暑に関して、「今回受賞したものは最後のハウス栽培で管理がしやすかったが、これからは露地ものの季節となる。管理が難しい分、この夏の暑さが続くのか心配。続くのであれば枝豆などの豆ものに大きな影響が考えられる」とも。
品評会に出された野菜は16時30分から開かれた即売会で販売された。14時から販売を待ちわびている区内在住の50代の主婦は「毎年売り切れるほどの人気で10年近く並んでいる。近所で採れた野菜の栄養をもらいに来ている。今年も主人の晩酌のつまみになるものを手に入れたい」と話していた。