水元公園ごんぱち池で希少種アサザが開花-池周辺遊歩道を限定開放

花の直径は約3cmと小ぶりだが、水面に映える鮮やかな黄色が目を引く

花の直径は約3cmと小ぶりだが、水面に映える鮮やかな黄色が目を引く

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水元公園内の「ごんぱち池」(葛飾区東金町)で7月1日、環境省の準絶滅危惧種に指定されている水生植物であるアサザの開花が確認された。

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アサザは池や沼などの浅瀬に群生するミツガシワ科の多年草で、夏になると小さな黄色い花を咲かせる。かつて本州から九州の水郷地帯に広く分布していたが、宅地開発や埋め立てで生息域が激減。都内で自然に生息しているのは周囲約300メートルの同池だけとなった。

アサザを保全する水元公園管理センターの瀬田稔さんは、「猛暑だが湧き水で水温が安定しているせいか、例年通り開花し安心した。台風の影響を受けやすいが、9月までに約2000~2500輪の花が咲くと予測している」と話す。

ごんぱち池は環境保護のため立ち入りが禁止されているが、アサザの開花時期は花弁が開く朝方のみ池のほとりの木道を開放。9月10日までかれんな花を間近で観察することができる。

瀬田さんは「数少ないアサザの絶滅を避けるため、ごんぱち池から株分けして公園内の別の池でも移植を試みている。絶滅が心配される前は人々の関心も低く、栽培に関する情報は少ないが、古い文献などを頼りに手探りで育てている。株分けでの移植が軌道に乗ったら、種からの栽培法も模索して行きたい」と展望を話す。

ごんぱち池の開放は9時~10時。金町駅から新三郷駅行きバスで「高須」バス停下車徒歩約1分。

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