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葛飾・立石に手拭い染め体験工房完成-手拭い染め体験も

注染の工場で作品を持つ滝沢社長と内藤さん

注染の工場で作品を持つ滝沢社長と内藤さん

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 東京和晒(わざらし)(葛飾区立石4、TEL 03-3693-3334)が8月29日、「東京和晒創造館」を開いた。

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 同社は1889(明治22)年、小幅綿布晒の生産・販売を中心に事業を開始。戦後は手拭いや浴衣記事の生産を行いながら、オリジナル手拭いの製造なども行っている。手拭いや浴衣、半纏(はんてん)のデザイン制作のほかにも、複数の色彩を同時に染色できる注染の技術を広めるため同館を開いた。

 注染は手拭いや浴衣を染める技術の一つで、布に型紙で染めない部分にのりを付け、その土手の内側に染料を注いで布を染める技法を指す。他の染色技法に比べ一度に複数色の染色が可能で、複数枚作ることができるのが特徴だ。

 東京和晒の滝沢一郎社長は「注染の技術は難しく、現状は後継者も少なく、技術の担い手が少ない。ここは世界でも注染を本格的に体験できる施設は珍しく、この施設を使って注染の技術をより多くの人に知ってもらえれば」と開館のきっかけを話す。

 同館には本格的な注染の設備を用意し、ビデオなどで注染の流れを紹介するスペースも用意。ギャラリーも併設し、季節の手拭いや作家のオリジナル作品も展示している。

 開館を機に「手拭い染め体験ショートコース」も新たに設けた。同コースでは、月ごとに変わるデザインから好きな柄を選び、注染を体験できる。ビデオでの手拭いの知識を学んだ後、型付け・染色・生地洗いを体験。作った手拭いは持ち帰ることができる。今までのコースの約半分である2時間で体験することが可能で、スカイツリーなどを利用する観光者や修学旅行生をターゲットに据える。

 講師を務める内藤早苗さんは「開館前も不定期に行ってきたが、施設ができてから定期的に行えるようになった。夏前のプレオープンから学生などの体験者が多く集まり、9月からは本格的に習いたい生徒も増えてきた。オープンして注染の興味が湧いてくれた人も多くなった」と話す。

 今後について、滝沢社長は「同館の体験によって注染の魅力を知ってもらい、多くの若手職人・作家の育成の場となってほしい。新人の育成だけでなく、ここから若く新しいクリエーターが発表の場として使ってくれれば」と期待を込める。

 開館時間は9時~18時。ショートコースの料金は4,000円。完全予約制。

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