題経寺(=柴又帝釈天、葛飾区柴又7)で1月24日、「文化財消防デー」(26日)に先立ち文化財防火訓練が行われた。
文化財消防デーは、1949(昭和24)年1月26日に現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し壁画が焼損したことを契機に制定されたもの。毎年1月26日前後に全国で文化財防火運動を展開している。
同寺には映画「男はつらいよ」に毎回登場している二天門(1896年建立)や、1915(大正4)年に建設が始まり完成までに14年を要した本堂、作品の製作に12年を要した彫刻ギャラリーなど、歴史文化財が多くあり観光資源ともなっている。
同日は一日消防署長として、「男はつらいよ」第7作のマドンナ役で出演した女優の榊原るみさんが登場。榊原さんは「参加者が団結して文化財を守ろうとする高い意識をひしひしと感じた」と話した。
帝釈堂から火の手が上がったという想定で、地元商店街の関係者やボランティアスタッフたち約50人によるバケツリレーで消火訓練を実施。消火隊長を寅さんに扮(ふん)したものまねタレント・野口寅次郎さんが務め、自らバケツを持ち先頭で消火活動を行った。続いて、地元消防署らによるホース訓練も行われ、本番さながらの緊張感を持って準備した隊員たちが目標に向かって一斉に放水した。
金町消防署・會田幸子署長は「地域の宝である帝釈天を守るために尽力していきたい」と話し、訓練を見学していた園児たちへ「火の用心」を呼び掛けた。