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青砥やくじん延命寺で「怪談朗読会」―江戸時代の「闇夜」を再現

会場の様子

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 青砥やじくん延命寺(葛飾区青戸8、TEL03-3602-0496)で10月4日、「秋の朗読会・心に響く朗読の世界」が行われた。主催は、じぞうねっと。後援は同寺。

朗読者

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 朗読は、司会などでも活躍する秋山雅子さん。同会のきっかけは、秋山さんと同寺院住職の小林永照さんが、立教大学大学院の社会人入試で、「21世紀社会デザイン研究科比較組織ネットワーク学専攻」の同じゼミだったことから。

 同寺院での朗読は初めての試み。参加者は10人。本堂は電気を消し、「ろうそくあんどん」のみの明かりで、江戸時代の闇夜を再現した。演目は,小泉八雲の「雪女」「葬られたる秘密」。途中休憩を挟み、「耳なし芳一」が語られた。最後に「雨ニモマケズ」のサプライズも。

 同企画の狙いについて小林さんは、「お寺はコミュティー空間。人間同士の関係とは、人と人だけでなく、空間、雰囲気、間など、言葉ではないものも大切と思い、今回は“闇”にこだわった。江戸時代の人々は、自然のあかりの中でお化けなどを感じてきた。見えないからこそ見えてくるもの、感じるものがあるのではないか。仏や幽霊などと一緒に怪談を聞いてどんな感情になるのかを味わってほしい」と話す。

 朗読は静かに、ゆったりと始まった。暗闇の中に浮かび上がるのは、朗読者とほのかに赤くともるあんどん。背景には仏像が並ぶ。浪々(ろうろう)と響く声の合間に「ライヤーハープ」も奏でられ、目を閉じて聞く人、手をつないでいる人もいた。途中、小林さんが「般若心経」を読経する演出や、「幽霊と語らう若い僧侶役」で登場する場面もあった。

 同寺院の檀家で、同会に参加した山本光枝さんは「この寺は、ジャズ、フルート、琴など面白い企画が多い。今回は寺院で怪談ということで特に楽しみにしていた」と話す。娘の靖子さんは「昔の怪談は面白い。人間関係のグレーゾーンや『それ以上言わない方が良い』ということを描いていて深い。寺院の雰囲気もイメージを膨らませてくれた」とも。

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