ウィメンズパル(葛飾区立石5)で11月12日、川底探査機による映像の試写と愛称選考会が行われた。主催は「葛飾の川をきれいにする会」。
同会は、区内を流れる汚濁した中川をきれいにする目的で「中川をきれいにする会」として1973(昭和48)年に発足。その後、他の区内河川も活動対象として広げたため現在の名称に変更した。同会発足当初、汚濁し死んだようだった川は若干のよみがえりを見せつつも、2011年度の調査結果でも、河川のワースト1が「中川」、ワースト2が「綾瀬川」との報告が上がっている。
今回、河川と環境改善の新たな取り組みとして企画されたのが「川底を見るカメラ」の製作。海底探査機「江戸っ子1号」を開発に携わった杉野ゴム科学工業所の杉野社長の協力を得て、小型の水中ビデオカメラとライトをモニターテレビでつなぎ、リアルタイムで手軽に川底を観察できる「川底探査機」を実現した。
製作したの3台。各機の特徴、釣りざおの先端に取り付けられた球状タイプで360度どの方向の撮影も可能な1号機、四足の定地型タイプで、水の流れの早い河川でも流されず撮影ができる2号機、1・2号機の動向を補足し、各機の稼働状況を多角的に捉える3号機。
会場では、区内外で行われた試験調査の映像が公開。スクリーンに映し出された映像では、川底の水草から酸素が発生している様子や、ハゼや手長エビの姿も確認され、場内からは昔の川遊びを懐かしむ声も上がった。改善点として、撮影に際し使用したカメラを引き上げる度にカメラがヘドロまみれになってしまう点などが報告された。
集会では、この「川底探査機」の愛称選考も。区内の子どもたちにも身近な河川に興味を持ってもらいたいとの意向から、区内の小学校から愛称を募集した。総計355案の応募があり、予備審査で絞られた12案から選考。投票の結果、第1候補は「葛飾っ子1号~3号」が選ばれ、現在、名称決定までの最終調整が行われている。
同会担当者は「日本全国で河川の調査を通じて水の大切さを伝えていきたい。葛飾初の環境探査機として会の活動を広めていきたい。より多くの人々にきれいな川について考えるチャンスになるのでは」と話す。