小学校PTAから生まれたNPO法人「レインボーリボン」(葛飾区青戸6)が1月9日から、いじめ防止プログラム指導者養成講座「本気で『いじめ』をなくす!」を開講している。
全15回で開く同講座は、「いじめ防止プログラム」を実施する指導者を育てる本格的なもの。会場は、葛飾区男女平等推進センター(立石5)と葛飾区青戸地区センター(青戸5)。
「いじめ防止プログラム」は、自分も相手も大切にするコミュニケーション(アサーション)を中学生が身につけるためのもので、現在、神奈川、東京の70校で実施されている。プログラム開発者は、暴力によって傷ついた子どもの心のケアを日本に導入した「NPO湘南DVサポートセンター」理事長の瀧田信之さん。
講座の内容は「いじめとは何か」「いじめの加害者とは」「いじめの輪を断ち切るために」などの講義に加え、「プログラム実施校の視察とOJT準備」「施行実習」など、実践的な内容も組み込む。
2014年4月に発足した同NPOは、「多文化共生」をキーワードに、子どもの幸せのために学校・PTAを改革しようという団体。瀧田さんのプログラムを必要に感じ、区内で開講することにしたという。
代表の緒方美穂子さんは「子どもの幸せのために行動するのが、PTAの役割。貧困や、小中学生のいじめによる自殺が社会問題となる中で、自分たちにできることは何かと話し合い、講師を招いた」と話す。同年 3月には、同講座を凝縮した 「いじめ防止プログラム体験講座」を主催。中学生16人、大人19人の合計35人が受講した。受講後は、いじめを未然に防ぐための企画を考える「スクールバディ」に立候補する生徒が増えたという。
同NPOは「PTAは明るく、楽しい、学校環境クリエイターズ」であると提唱。「大変」「忙しそう」「できればやりたくない」という保護者が多い活動を改革するために、「PTA研修」や「講演」、「新入生保護会ファシリテーション」として、新入生保護者にPTA活動を分かりやすく紹介する活動などを行っている。
「全国約2万の小学校、1万の中学校のPTAが、子どものために本気で動いたら、きっと社会が変わる。子どもの幸せを願う気持ちは、日本語を母語としない人も、障害を持つ人も同じ。多様性を認め合い、尊重しあえる社会を作って行けたらいじめもなくなるかもしれない」と緒方さん。また、「PTAや地域で活躍している人たちに、暴力防止教育を実施するファシリテーター(促進者)になってほしい」とも。
同講座の最終回は3月27日。1日だけの講座参加も可能(認定証の発行は、連続参加者のみ)。問い合わせはNPO「レインボーリボン」ホームページから。