柴又帝釈天(=題経寺、葛飾区柴又7)で4月8日、「花まつり稚児音楽練供養(ちごおんがくねりくよう)」が行われた。
お釈迦(しゃか)様の誕生日を祝う「花まつり」に、きらびやかな装束をまとった子どもたちが「お稚児(ちご)さん」として行列を組んで練り供養をし、子どもの健康と育成を祈願した。同寺で60年程前から続く恒例行事。今年は柴又帝釈天付属ルンビニー幼稚園の園児ら51人が参加した。
この日の最高気温は4度。冷たい雨が岩に染み入る庭園の外回廊を、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の音色に導かれ、雅楽に続き帝釈天の御前様や僧侶と共にお稚児さんの行列が練り歩いた。
同寺広報担当の須山保さんは「私の記憶の中で、花まつりの日に雨が降ったのは2008年度以来。残念ながら今回は参道を歩くことはできないが、帝釈堂の中での記念撮影は普段は許可されておらず、初めてのことでとても貴重。これもお釈迦様のご利益か」と語る。
平安時代の御殿様、お姫様のような華やかな衣装の子どもたちは、ゆっくりと大客殿を抜けて帝釈堂へ入り、健康と知恵をお授けいただく祈願式を行った。「天童総代」と呼ばれる子どもの代表が、奉書に書かれた文書を読み上げるなどの法要が行われ、立派に大役を果たした中西幸子さん(小3)は「思ったより人が多くて緊張した」と無事に務めを終えホッとした様子。
参加した子どもたちには「今年は泣いたりする子もなく、寒い中最後までよくがんばりました」と、証書と菓子が配られた。