葛飾の博物館で雲間から「日食」観察-上映会中止し急きょ屋上へ

天体観測前の学芸員の新井さんと、訪れた観客たち。この後日食の観測も行った。

天体観測前の学芸員の新井さんと、訪れた観客たち。この後日食の観測も行った。

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 皆既日食当日を迎えた7月22日、葛飾区立郷土と天文の博物館(葛飾区白鳥3、TEL 03-3838-1101)でも観測を期待して多くの来場者が集まった。

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 同館では当日、事前に申請のあった参加者との観測会を企画していたが、この日の東京地方の天候は小雨まじりの曇となり、企画はいったん中止に。同館は、今月21日まで上映していた特別企画番組「太陽が欠ける日~7月22日・日食が起きる」の上映を急きょ決定。10時と11時の2回上映を行った。通常は有料で行っているが、この日は無料で開放し、訪れた親子連れなどを楽しませた。

 10時の回を鑑賞した亀有在住の六本木岳くん(小学3年生)は「宇宙を勉強するのが好きで、とても楽しい内容だった。次にやってくる日食は自分の目で見たい」と、2012年に観測される金環日食に思いを寄せた。

 11時の上映を待っていた堀切在住の田久保さんは「事前に同館でイベントを行う話を聞いてやって来たが曇り空でとても残念。でも、特別上映があると知らせを聞いてとてもうれしい」と話していた。

 ところが11時の回の上映途中、東京上空の雲は薄くなり、急きょ上映を中止に。来館者らは急いで同館5階の展望室に上り、観測を行った。3度ほど雲間から日食が観測され、観測される度に30人ほどの来場者から歓声が上がった。

 1988年3月に小笠原沖で皆既日食を観測した経験がある同館学芸員の新井さんは、皆既日食について、「写真やカメラでは伝えられない素晴らしさがある。同番組でもその素晴らしさを伝えているが、実際に見たときの神秘さと情景の感動は体感した人間しかわからない」と話し、今回の対応について、「雨天で残念だったが、来場者に喜んでもらえればと思い臨機応変に対応した」と振り返った。

 国内で観測される次回の皆既日食は2035年9月。

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