タカラトミー(葛飾区立石7)が「TOYフォーラム2010」でお披露目した、手を汚さずに「ながら食べ」できるポテトチップス専用マジックハンド「ポテチの手」が早くも話題を集めている。
同社が20~30代を中心とした1,200人を対象としたアンケートの結果、「ポテトチップスを食べる際にはしを使う」と回答した人が全体の約2割に上り、若者の間での新しい習慣が明らかになった。そうした「ながら食べ」を清潔に行えるように開発したのが同商品。
同商品を開発したライフ開発チームの金子義信(40)さんは「キャラメルを自宅で作るクッキングトイなどを発表してきたが『食べる行為』に注目したかった。ゲームだけでなく、テレビを見ながらポテトチップを食べる行為は、後で手をふくなど面倒な部分があった。その部分を解消しお菓子でコミュニケーションをとれる『おかしケーション』を作りたい」と話す。
サイズは全長18センチで、通常のマジックハンドに比べて短いのが特徴。小ぶりで短い理由については、「ポテトチップの袋に入るちょうといいサイズを研究した結果。日常で使うものなので、ハンドの大きさや使い勝手を追求した」(金子さん)。
商品には「ポテトチップに最適な」3つの機能を搭載する。一つは「NBCS(No Broken ClutchSystem=対象物破壊防止クラッチ機構)」。マジックハンドのスイッチを押してもポテトチップを割らない適度な握力を調整し、ポテトチップの2枚づかみも可能にしている。机に置いても「ポテチの手」の指先が触れないように手首部分に「NTTS(No TouchTable System=指先机上非接触機構)」という突起を付け衛生面にも配慮。さらに、「FECS(Finger Easy Cleaning System=簡易指先クリーニング機構)」という「指先の塩を振り払う行為」を忠実に再現した機能も搭載した。
FECSについて、金子さんは「機能的には必要かどうかは不明だが、食べている手を忠実に再現したかった」と遊び心をアピールする。各機能のネーミングについては、「しっかりした技術なのは確かだが、より立派に見えるネーミングにしたかった」とも。
同社で18年間玩具作りに携わっている金子さん。入社当初はグラフィックデザイナーとしてパッケージ制作などを行ってきたが、次第に玩具作りの魅力に引かれ開発の一員となった。「ゆびのりピピ」などの開発経験もあるが、今回の商品に関して「自分の中でもかなり上位のランキングになるアイテム。多くのおもちゃが年間出されるが、この商品は歴史に名を残すようなヒット商品になってほしい。おもちゃを作り続けた自分の入社当時の目標」と話す。
価格は699円。色は「しおカラー」「のりしおカラー」「コンソメカラー」の3色。年間販売数は50万個を目標に据える。発売は6月24日。価格は699円。