タカラトミーアーツ(葛飾区立石5)は2月24日、「食べないであたたまる」入浴セット「カップニューヨク」シリーズ商品を発売した。
同商品は、即席麺などを中心に取り扱っている明星食品(東京都渋谷区)の代表商品である「チャルメラ」と「一平ちゃん」をモチーフにした入浴剤。
市販の即席麺そっくりのパッケージの中には、麺をかたどったスポンジと調味料の小袋をかたどった入浴剤が入る。誤飲・誤食を防ぐため、パッケージデザインにリアリティーを追求しながらも、本物よりも一回り大きくし、「たべられません」の文字を目立たせるなど安全面にも配慮する。
同商品を開発した同社トイ事業部の佐藤さんは「誰もが知っている親しみやすいモチーフで、主に親子がお風呂でのコミュニケーションできる商品を開発したかった。発想の当時は駄菓子を模した入浴剤が静かなブームになっており、ニッチなニーズを狙った」と話す。
発想から発売まで3年の歳月が費やされた同商品。「その問題は大きく安全面と協力企業選びの2点」と佐藤さん。当初大手食品メーカーに企画を持ち込んだところ、ブランドイメージと合わないという理由から断られていたが、「親子との楽しいコミュニケーションの道具になれば」と明星食品が快諾。明星食品とは安全面で何度も打ち合わせを行ったという。
「リアルを追求しながらも、絶対に誤飲・誤食をしないギリギリのラインを狙った。安全で楽しいことが一番」(佐藤さん)と、あえてとんこつ味の入浴剤を避けオレンジやピンクの色をした「ひのき」「ユーカリ」「モミの木」などの入浴剤を採用。とんこつ味について、佐藤さんは「検討して試作もしたが、入浴後の爽快(そうかい)感がまるでない」と見送った。
開発期間のエピソードとして、佐藤さんは「スーパーやコンビニに向かうと、ヨーグルトやおでんなど何でも入浴剤に見えてくることがあった」と笑顔で振り返る。
商品は市販の即席麺そっくりの段ボールに詰めて売り場に置かれており、佐藤さんは「ちょっと笑える贈り物として2個・3個、ビンゴの景品としてダンボールごと箱買いなど、幅広い年齢層が購入してくれれば」と売れ行きに期待を寄せる
商品は、「チャルメラカップ」(420円)、「チャルメラ袋麺」(367円)、「やきそば一平ちゃん」(472円)の3種類。全国の雑貨店・量販店などで販売している。