亀有のシンボルでもある漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(集英社)の主人公・両津勘吉が3月3日、誕生日を迎えた。
両津勘吉は東京都台東区千束の生まれ。現在は警視庁新葛飾警察署地域課に所属し、亀有公園前派出所に勤務しているという設定。同派出所のモデルとされている亀有北口交番(葛飾区亀有5)は、漫画の舞台を一目見ようと観光客が訪れる観光スポットになっている。
今年で連載34年を迎える同作品は、その時代背景によってさまざまな遍歴を遂げている。身長や学歴は警察官採用試験の基準変更によって途中、変更された。年齢も連載の時代背景によって変化。連載開始の4巻では1943(昭和18)年生まれという「戦前生まれ」という記述も。連載の一時期は加齢するエピソードもあったが、現在は当初の設定に近い35歳になっている。しかし誕生日の3月3日だけは設定の変更がなく、同作品にも誕生日にまつわるエピソードがいくつか掲載されている。
誕生日にあたるこの日、平日ということもあって観光客はおらず、通常の亀有のにぎわいだった。街頭でインタビューをするものの、両さんの誕生日を知る街の人はほとんどいなかった。
そうした中、亀有駅北口の両さん像と記念撮影していた群馬県在住の40代会社員は「出張の途中で寄った。少年時代からこち亀は欠かさず読んでいて、両さんの誕生日も知っていた。仕事の帰りなので長居はできないが、寄り道して写真を撮ってみたかった」という。
今月13日には現在の3体の銅像のほかに、8体の銅像も建立する。銅像の建立について、都立農産高校2年の三浦桃子さんと河合樹奈さんは「知らなかった。わたしたちの世代では漫画というよりもアニメやドラマの印象が強い」と話していた。