4月18日ごろに破壊された「サンバ両さん像」が各メディアで話題となる中、亀有では地元商店街中心に再犯防止の取り組みが始まった。
銅像の破壊は20日の夕方のテレビニュースを皮切りに新聞やラジオで広く報道された。近くの飲食店に勤める女性は「テレビのニュースを見て初めて知った。いつも店を閉めるのが深夜で、その日も家に帰る途中に銅像の前は通ったが、異変に気付かなかった」と話す。
翌21日には地元の住民のほか、多くの見物客が無残な両さん像を見物に訪れていた。葛飾区在住の30代の女性は「普段通る道で銅像にはあまり気を掛けていなかったが、今回のニュースで意識するようになった」とし、亀有の治安について、「とても安全な街という印象が強いだけあって残念。イメージダウンにつながらなければ」と話す。
両さん像の折られた部分からは鉄骨がむき出しになっており、地元商店街では対応策として「包帯」を巻く処置を行っている。包帯は腕に巻かれているだけでなく肩にも掛けられており、けがの痛々しさが伝わる。今回の対応の発案者である「靴の東洋」(葛飾区亀有3)の鳥山郁さんは包帯を巻いたことについて、「むき出しになった鉄骨でけがをしてほしくないため、柔らかい素材として包帯を選んだ。ブルーシートなど無機質なものでなく、包帯を巻くことによってけがをしている銅像に少しでも意識が向いてくれれば」とも。
地元商店街を中心とした有志らは21日から、夜間の巡回を始めた。初日は商店街関係者7人が犯行現場となったサンバ両さん像の前に集まり、亀有の11体の銅像を点検・警備を行った。メンバーは一体ずつ指などの折れやすい部分を触って確認を行うなど入念に行った。今回の警備の呼びかけ役となった「葛飾伊勢屋」(葛飾区亀有3)の佐藤省吾さんは「今後しばらくこの活動を続けていきたい。商店街のメンバーだけでなく、街の治安に貢献したい方がいればぜひ参加してほしい。街全体で、名物である『こち亀』を守りたい」と更なる参加呼び掛けを行う。
警備に関する問い合わせは佐藤さん(TEL 090-1650-8995)まで。