金町の薬局「アサカ薬品」(葛飾区東金町5)の店前に置かれている「サトちゃん」がマフラー姿になっている。
同店は1936年(昭和11)年創業の金町でも老舗の薬局。現在は娘の佐藤純子さんが店の切り盛りをしている。店頭では各種薬品を取り扱っているが、「ほとんどはなじみのお客さん。新規の顧客は少なく、近年のドラッグストアの影響を大きく受けている」と話す。
歴史を感じさせる店の前にはサトウ製薬の「サトちゃん」の人形が飾られている。冬になった現在は手製のマフラーが顔に巻かれて暖を取っている。佐藤さんは「自分たちは店内で暖かくしていて、店番をしている人形に申し訳なくて始めたもの。もう数十年もこの季節になるとマフラーをしている」と話す。ちなみにマフラーは「自分の手製のマフラー。娘に編んだ物だったが使ってくれる人がいなく、サトちゃんにプレゼントした」とほほ笑む。
冬はマフラーだが、雨天時は傘を差したり、夏には手ぬぐいを首に巻いたり、さまざまな姿に変身するサトちゃん。金町在住の50代の主婦は「いつも帰り道でサトちゃんの様子を毎日気になる。忙しい日もオレンジの顔が見えると癒やされる」と話す。
佐藤さんは「薬局は昔から、お客さんとのコミュニケーションで成り立ってきた商売。今はお客さんとのコミュニケーションもなく買っていく店舗もあるが、サトちゃんと一緒にコミュニケーションしながら商売を続けたい」と話す。
営業時間は8時~18時30分。