「酉の市」発祥の神社で二の酉-熊手のルーツ「かっこめ」も販売

「かっこみ」を手にする巫女たち。かっこみは800円で販売している。

「かっこみ」を手にする巫女たち。かっこみは800円で販売している。

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 大鷲神社(足立区花畑7)で11月17日、「二の酉」が行われた。

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 同神社の境内には毎年5~6万人の参拝客が集まり、出店や熊手商店などをにぎわせた。「今年は三の酉まであるので二の酉のにぎやかさはいまいち。三の酉の夜になるとゆっくり歩けなくなるほど」と熊手商店のスタッフは話す。

 同神社は浅草の大鷲神社などで恒例の行事になっている酉の市の発祥の地として知られており、その歴史は室町時代から続いている。同神社は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祭り、日本武尊の命日とされている旧暦11月の酉の日に物々交換などの市場として始まったとされている。

旧暦11月は現在の12月に当たり、同神社では12月に熊手市を行っている。熊手の購入客は、昔からの意味合いを込めて熊手市で購入する客が多い。

 熊手は、農家が多い同神社で扱っていた「かっこめ」という神社札に由来する。神社の名前にも使われている鷲と利益を「わしづかみ」するという農家の多い地域ならではの意味合いが込められている。その後、江戸から明治時代にかけて熊手の装飾が出始め、現在の熊手が完成した。現在でも同神社では商売繁盛のお守りとして「かっこめ」を販売している。

 オリンピック後の団地ブーム前まで田園地帯が広がっていた同神社の周辺も、つくばエキスプレス(TX)が開通し、新しい住宅などが立ち並び人口増加が著しい。近年の参拝者の傾向について、同神社の宮司である浜中厚生さんは「親子連れなどの新しい参拝者の人が見受けるようになった。神社は昔から地域のコミュニティーを担う部分があり、今後も新しい人の交流につなげていければ」と話す。

 同神社の酉の市は11月29日の三の酉まで行う。なお12年に1度の酉の年にはみこしも出る。次回は2018年の予定。

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