葛飾・立石のシェアハウス「生主ハウス」(葛飾区立石1)の軒先に7月1日、綿菓子店「ふわり」がオープンした。
「ニコニコ生放送」を中心とした動画配信者らが集まる同シェアハウス。店主の力也さんこと竹内彰一さん(34)が入居したことが同店オープンのきっかけとなった。
竹内さんは福井県越前市出身で、マンガ喫茶やゲームセンターの店長などを歴任。父の仕事である映像編集の手伝いとして独立するも、父の病気で廃業。その後はコンビニエンスストアなどでアルバイトをして生計を立てていた。趣味では、ピアキャストやニコニコ生放送で雑談や自身の企画などを配信していた。「自分が大検を取る勉強をする姿を生放送で流し、勉強を教わる企画も。多くの人がとても親切に協力してくれることに感動した」(竹内さん)と話す。
マンガ喫茶の店長時代に販促グッズとして個人購入した綿あめ機を所有しており、「販促キャンペーンで振る舞った綿あめに、来店客がとても喜んでくれたのが印象的だった。子どもたちが喜んでくれるのが思い出になった」との経験から、今年1月に2ちゃんねるのVIP板で相談。多くのアドバイスを受け、店名を「ふわり」に決定し、実家の駐車場の一角で6月に開業した。
しかし「オープンしてすぐに祖母がやってきて、ビンタをくらった。狭い地域なので『恥さらし』というイメージを持たれた」と振り返り、オープン初日に店を閉店することを余儀なくされた。
閉店後にニュースサイト「ガジェット通信」の誘いを受けた竹内さん。「アルバイトのお誘いがあり、上京する決心をした。しかし、貯金なし・仕事なしの状況ではどのアパートも貸してくれなかった。実家の福井とは大きく異なる部分にショックを受けた」と振り返る。
その後、生主ハウスの存在を知り、大家のamさんと入居について話をしているうちに「綿菓子の件をamさんが知っていたこともあり、最初は冗談混じりで生主ハウスでやる話をしていた」が、「帰りの高速バスの中で自分の夢をかなえようと思い、本気で申し込んだ」と決意したという。
店を出すのは、同シェアハウスの玄関部分で倉庫として使っていたスペース。6月28日に入居した竹内さんは、約3日間で店舗として改装。オープン当日はネットや生配信で知った180人の客が集まった。綿菓子は1本100円で、1週間食べ放題のプランも用意している。綿菓子のほかにコーヒーやウーロン茶、地元の柴又ラムネも販売もする。「ここ数日ネットだけでなく、地元の来店客も増えている」(竹内さん)。
現在も開店中は絶えずニコ生で店の様子を配信している竹内さん。現在も常時数千人の視聴者を持つ。2ちゃんねるやニコ生の住人とのコミュニケーションについては「動画のコメントなどを見ていても、自分には文字列には見えず、リアルな人との会話と思っている。応援してくれる人たちに感謝の一言。ちなみにここではリスナーを株主として、自分はバイトという立場でコミュニケーションしている」と笑う。
今後については「現在の生主ハウスの店舗では、飲食店としての運営ができないので、生中継のできる店舗があれば秋葉原に出店してみたい。自分だけでなく生主が運営する商店街ができたら面白いと思う」と夢を膨らませる。
営業時間は7時~19時(ただしアルバイトがある場合は12時で閉店)。