「中川護岸耐震補強工事」を施工する大豊・西武・古川建設共同企業体(葛飾区東立石4)が4月18日に「中川工事見学会」を開催。申し込み受け付けが2月9日から先着順で始まった。
内容は、遊覧船で中川の上平井橋(葛飾区西新小岩5)から奥戸橋(葛飾区奥戸7)付近を巡りつつ、工事内容の説明をするというもの。
中川は、東京湾へと注ぐ、全長約81キロメートルの一級河川。大きく蛇行した自然の河川で、古くから「七曲がりの川」と呼ばれている。治水の難しさがあり、放水路として「新中川」が開削されるなど、昔からさまざまな努力が重ねられている。現在行われている護岸耐震補強工事も、東京都が緊急工事として進めているもので、2009年から施工開始。現在工事している箇所は、同団体が2013年に着工、2016年3月に終了する予定。
見学会の目的は、地元住民に工事の重要性を理解してもらうこと。「地元の人が安心して暮らすための工事であることを伝えたい。3年と長期に渡る工事なので、近隣住民とふれあいたい」と、同団体中川護岸(6)作業所の監理技術者兼現場代理人・三好浩司さん。
同工事は、護岸の耐震性と親水性の向上が目的。川底の液状化対策および、高潮・治水、地震による水害防止のために、川底をコンクリートで固め、鉄筋の大きな「くい」を打ちこみ、川底と護岸をしっかりと固める作業をしている。川辺にはテラスを設け、植栽やベンチで人の憩うスペースも作られる。しかし、工事の様子や過程は、外からは見えにくいため、船に乗って川面から護岸や工事の様子を眺め、説明しようというもの。
三好さんは「我々は毎日船に乗っているが、川から見る景色は視点が変わり、まったく違うもの。天気が良ければ東京タワーや富士山も望める。人工的な川ではないので、流れも速く、時間帯に寄っては、潮の匂いが立ちこめて、まるで海にいるような感覚になる。ぜひ、中川を体感してほしい」と話す。船は、遊覧船なので、晴れれば船の屋上にも出る予定。「工事の仕組み、状況もより理解できる」とも。
見学会は、11時出航、13時までの予定。定員は10人。参加無料。雨天決行。詳細・申込は、本奥戸橋(葛飾区立石8)の中川護岸工事現場の掲示板に掲示されている。