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東京オリンピックのピクトグラム 開発チームのデザイナーが葛飾で講演会

講演を行う廣村正彰さん

講演を行う廣村正彰さん

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 東京オリンピックで使われたスポーツピクトグラム開発チームのデザイナー、廣村正彰さんが11月20日、テクノプラザかつしか(葛飾区青戸7)で講演を行った。

意識に届くデザイン~サインデザインとピクトグラム~

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 「意識に届くデザイン~サインデザインとピクトグラム~」というタイトルで行われた講演は、区民の生涯学習を支援する葛飾区の取り組み「かつしか区民大学」の特別講演会として行われた。オリンピック開会式でのパフォーマンスが話題となったことで、多くの申し込みがあり、抽選で当選した100人が参加。若い年齢層の参加者も目立った。

 廣村さんは、これまで美術館や商業施設、教育施設のサインデザイン、CI、VI計画を数多く手掛けており、主な仕事に横須賀美術館、すみだ水族館、東京ステーションギャラリーなどがある。今回デザインしたピクトグラムは、オリンピック33競技50種類、パラリンピック23種類の計73種類。オリンピックのピクトグラム50種類は何度も修正を繰り返し、およそ2年間かけて完成したという。

 1964(昭和39)年の東京オリンピックで初めて採用されたスポーツピクトグラムは、その後の開催でも開催国の歴史や文化を取り入れ毎回デザインされている。廣村さんは「今回のピクトグラムは、前回の東京オリンピックへのリスペクトをテーマに、躍動感をつけるなど前回のデザインを進化させた」と話す。

 日本でピクトグラムが広まった背景について、「日本は島国。言葉の壁を越えて、文字が分からなくても、海外の人に伝えるための手段として広まった。よく目にする非常口のピクトグラムは世界でも共通に使われているが、このデザインは日本人デザイナーによるもの」と説明する。

 質疑応答では開会式のパフォーマンスについての話題となり、廣村さんは「パフォーマンスには関わっておらず、家でビールを飲みながら見ていた」と笑いを誘った。

 今後のサインデザインについて、「例えば、特定の人に向けて変化するピクトグラムなど、テクノロジーでサインデザインは進化するべき。常に人の心に届くためにはどうしたらいいかということを突き詰めたい。それはサインデザインではないかもしれない。全く新しい伝え方が生まれることに期待している」と話した。

 参加した40代の女性は「今まで何気なく見ていたピクトグラムだったが、シンプルなデザインだけで意味を正確に伝えることの難しさを感じた」と感想を述べた。

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