東立石の「かわばた公園」(葛飾区東立石2)で11月27日、35年前に埋められたタイムカプセルが発掘された。
タイムカプセルは1986(昭和61)年に、東立石の8つの町会から成る「東立石地区連合町会」設立20周年を記念し同園に埋められた。21世紀に生きる人へ送る文化遺産、メッセージとして、町会のみならず地元の小中学校も加わり、後世に残す品を持ち寄ったという。
本来は昨年掘り起こす予定だったが、コロナ禍のため今年に延期されていた。当日は、町会のメンバーや近隣住民20人ほどが見守る中、同園の花壇下からタイムカプセルが掘り起こされ、その瞬間、驚きの声に包まれた。
タイムカプセルは近くの東立石地区センター(東立石2)に運ばれ、すぐに開封された。町会のメンバーらが一つ一つ埋設物を慎重に取り出し、当時の写真、紙幣やコイン、当時の出来事を伝える新聞のほか、自分に宛てた手紙、小学生の寄せ書きなどが出てきた。小学生の寄せ書きには、当時の電車やバスの運賃、お小遣いの金額や人気のテレビ番組なども書かれており、当時の状況がわかる情報が多く見られた。
開封に立ち会った東立石地区連合町会の堀越克夫会長は「当時の人は後世に何を残したら良いか考えて埋めてくれたと思う。当時の人がいて今日の我々があり、長い年月を経ても一つの地域でつながっていることを感じた。我々も次の世代へつなげていかなければ」と話す。
切手が貼られた自分に宛てた手紙が多く出てきたことについて、「これは35年前の自分から21世紀の自分に宛てた手紙。切手の料金が不足しているので切手を足して送ってあげたい。転居している人もいるだろうが、できるだけその人を探して手紙を渡してあげたい」と思いを語った。
自分宛ての手紙について、町会の男性は「妻が小学生のときに書いた手紙を見つけた。少しどきどきしたが、当時のことが分かってうれしい」と話した。
現在、タイムカプセルに入っていた埋設物を同センターで展示している。年内は12月28日まで、年明けは1月4日~21日。9時~17時。