展示会のブース造作・ディスプレーを提供するサンアート・クリエイト(葛飾区青戸1)が2月8日、プライベート空間を簡単に創り出すことができる白段ボール製ブース「マム・ウォール・リラクゼーション」の販売を始めた。
同社は2020年、コロナ禍により展示会がことごとく中止となってしまったことで売り上げが激減。ピンチをチャンスに変えるため、新規ビジネスとして「マム・ウォール・リラクゼーション」の前身モデルとなる災害時対応型多目的白段ボールパーテーション「マム・ウォール」の開発に着手した。しかし、同社には段ボールの加工技術がなく、地域の段ボール加工会社3社に企画を持ち掛けるも、1.8メートルを超える白段ボールを加工できる会社は見つからなかった。
困っている中、段ボールをはじめ、さまざまな素材の加工を行う丸正製函(堀切1)を紹介され、相談したところ、加工可能ということでコラボレーションが生まれたという。丸正製函の社長・浅野桂司さんは、「同じ葛飾区でもの作りができることが面白いと思い、製作に進んだ」と振り返る。
マム・ウォール(3万8,500円~)は、工具を使わず、5分で組み立て可能。ジョイント部分も、全て段ボールでできている。3層構造とすることで強度を高め、柱や壁は半分に折り畳めるため収納場所にも困らないという。白色の段ボールにこだわった理由は、「清潔感、安心感をもたらし、心理的な安らぎ効果に期待できる」ため。コロナ禍の需要にもマッチし、ワクチン接種会場や学校の保健室、クリニックなどでも幅広く利用されているという。
今回、同社が販売を始めたマム・ウォール・リラクゼーション(5万2,500円~)は、マム・ウォールをより最適なプライベート空間へと発展させるため改良した商品。マム・ウォールの特徴を残しつつ、およそ10分で組み立て可能。より広い空間を創出できる八角型、空間に収まりやすい四角型、天井の有無、段ボール以上の強度を持つハニカム構造の白パネルなど、選べる形・素材・オプションのバリエーションを豊富にそろえた。
東洋美術印刷(千代田区)の協力を得て、オリジナル壁紙デザインを施した「マム・ウォール・リラクゼーション・文様百趣シリーズ」も同時に販売開始。唐草模様や小紋柄など、日本の伝統文様を中心としたデザインの中から、オフィスや居住空間のテイストに合わせて選択できる。サンアート・クリエイトのディレクター・岡大祐さんは「和柄はリラックス効果がある。今後、海外の方にもアピールしていきたい」と和柄を採用した理由を語る。
東京ビックサイトで2月8日~10日に行われた「東京インターナショナルギフトショー」でも同商品を展示し、アピール。岡さんは「コロナ禍で全ての社員が出社することも少なくなったと思う。オフィスの空いたスペースにマム・ウォール・リラクゼーションを置いて、社員の皆さんにリラックスしてもらえれば」と呼び掛ける。