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立石の中華料理店「みんみん」が25周年 継続は「下町人情のおかげ」

「みんみん」店主の渡辺公男さん

「みんみん」店主の渡辺公男さん

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 葛飾・立石の中華料理店「みんみん」(葛飾区立石1)が6月8日で25周年を迎えた。

立石「みんみん」建物に掲示されているメニューなど

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 同店は、横浜中華街にあった中華料理店「聘珍樓」で修業し、コックとして働いていた店主の渡辺公男さんが1997(平成9)年、立石7丁目に小さなラーメン店をオープンし、その後、中華料理店に業態変更。現在は場所を立石1丁目に移し、1階は中華料理店、2階はカラオケ店として営業している。

 渡辺さんは「オープン当初、客足が鈍かった。おいしいものを作ればお客さんは付いてくるだろうと思っていた」と話し、横浜時代と同じような高価なメニューを提供していたという。しかし、立石7丁目商店街の会長夫婦をはじめ、近所の人々が、地域の人々の生活や文化、地域の人はどういったものを受け入れてくれるかを懇切丁寧に話してくれ、メニューや接客を教わっていくうちに店も軌道に乗っていったという。「日に日に街の魅力や深さが分かってきた。人情が深い、街の人々が熱心で優しく、時間がたてばたつほど、さまざまなことを教えてくれた」と当時を振り返る。

 ラーメン店から中華料理店に業態変更した同店だが、入居していたビルで営業していたカラオケ店が撤退することになり、その店舗を譲り受け、ビル1棟で経営することになった。1階が中華料理店であることを生かして、「カラオケ店にも本格中華を提供することにした。当時のカラオケ店の飲食は冷凍食品が全盛だった。本格的な料理を出すカラオケ店は自分たちが最初だった」と言い、大手カラオケ店の役員たちが視察や見学にも来たという。

 しかし2011(平成23)年、区画整理のため当時の店舗からの立ち退きを強いられ、カラオケ店を併設できる物件はなかなかなく途方に暮れたというが、渡辺さんは「その時に、また町の人が助けてくれた」と話す。当時常連客だった人が土地を譲ってくれることになり、現在の場所へ移転した。現在も店舗のローンが19年残っているというが、「立石という温かい街なら、何があっても大丈夫だと思う。25年もやってきているので今後も心配は感じない」と言い、「立石のお客さんはお金では買えない財産。皆さんが助けてくれるから不安なこともないし、支えてくれるお客さんの存在が自信になっている」と話す。

 営業時間は11時~23時(カラオケ店は深夜4時まで)。

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