葛飾区立宝木塚小学校(葛飾区宝町2)で9月7日、校舎解体前のお別れイベントが行われた。
今年で開校74年を迎えた同小は施設老朽化などから、9月9日、建て替えに向けた解体工事が始まった。同イベントは、「葛飾教育の日」に合わせて同小が企画。在校児童372人とその保護者が集まり、慣れ親しんだ校舎で最後の時間を共に過ごした。
校舎の中に隠された13文字を探し出して言葉を完成させる「ウオークラリー」では、児童らが普段入ることのなかった給食室や校長室などに入り、懸命に文字を探す姿が見られた。でき上がった言葉は「おもいでと学びをありがとう」。児童らは、黒板や窓ガラス、壁などに思い思いの絵や言葉を描き、校舎内に久しぶりに明るい声が響いた。
新校舎は、区内の学校で初めて「ZEB Ready」を取得。ZEB Readyとは、従来の建物で必要なエネルギーを省エネで50%以下に削減した延べ床面積1万平方メートル以上の建築物を指す。葛飾区は、公共施設の新築・改築工事の際、断熱性能を向上させるなどして建物性能をZEB基準までに引き上げ、2050年までに温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量ゼロを目指す「ゼロエミッションかつしか」の実現に向け取り組んでいる。
葛飾区は、学校の改築に当たり、新校舎の設計に在校生の意見を取り入れる取り組みも行っており、同小新校舎の設計テーマは「ビオトープ(多様な生物や植物との共生)」。昨年6月から7月にかけて設計会社協力の下、同小5年生児童らがアイデアを出し、池や観測デッキ、花壇を取り入れたデザインができ上がっている。
新校舎の開設は2027年9月を予定。