葛飾のそば店「喜久家」が30周年-親子2代で守る「味」のこだわり

2代目の田村幸吉さん。そばに合う日本酒を用意するなど、さまざまな工夫がされている。

2代目の田村幸吉さん。そばに合う日本酒を用意するなど、さまざまな工夫がされている。

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 お花茶屋のそば店「喜久家」(葛飾区お花茶屋3、TEL 03-3604-4427)が1月15日、創業から30周年を迎える。

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 同店は1980(昭和55)年、修行を重ねた田村喜久雄さんが地元である同所で創業。当時はファミリー向けの飲食店なども少なく、地元の家族連れや近隣の中小企業の従業員などでにぎわった。

 創業当時からそば粉の割合が2対8の「二八そば」の製法にこだわり、そばの風味を維持するために出前は行っていない。店内で使うネギは「千寿ねぎ」を使うなど、素材や製法に手間をかけ「味」に対するサービスを徹底した。

 現在は喜久雄さんに代わり、長男の田村幸吉さんが跡を引き継いだ。幸吉さんは中学から野球に取り組み、大学時代も野球部に所属。野球の道からそば店への転身については、「父の味に対する技術やこだわりを見て、その道を絶やしたくなかった」と振り返る。幸吉さんは大学卒業後、都心のそば店で修行を積み、2005年から喜久雄さんと二人三脚で同店を運営してきた。

 昨年10月には父から息子へと正式に代替わりを行い、現在は幸吉さんを中心に店舗を切り盛りする。幸吉さんは「父から受け継いだ技術や味をもっと知ってもらいたい」という理由から、店内を全面禁煙にするほか、季節に合わせたメニューの提供や、日本酒や焼酎の種類を増やすなどの工夫も施している。

30周年目を迎える15日には、来店客に記念として300円割引券を先着30人に配布予定。「日ごろお越しいただくお客さまを大事にしたい。景気の善し悪しで左右されるのでなく、常に底上げを行うようなイメージと行動が必要」(幸吉さん)と2代目としての新たな課題にも挑戦している。

 今後については、「父から受け継いだ味を引き継ぐのはもちろん、40年後の70歳まで現役で続けていきたい」と意気込みをみせる。

営業時間は11時~14時30分、17時30分~21時30分。木曜・水曜夜定休。

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