葛飾区立石にある日本料理店「魚つぐ」(葛飾区東立石3)が10月20日、おせち料理の予約受け付けを始めた。
1963(昭和39)年、地元で営んでいた鮮魚店の仕出し部門として独立して開いた同店。現在は30~50代の家族連れを中心に季節の魚料理などを提供している。
同店がおせち料理の提供を開始したのは8年ほど前。営業担当の陦(しま)公恵さんは「地元におせち料理を取り扱う店が少なく、常連客からの要望が多く始めた。おせちの持つ縁起物は取り入れながら、毎年新しい商品を提供している」と話す。
同店は3種のおせち限定の商品を販売。定番の縁起物が入った1段、煮物・焼き物の入った2段、そして魚つぐの酒の肴(さかな)などのオードブルの入った3段で構成された3段おせち(2万5,000円)をメーンに、1段目・2段目のみの構成2段おせち(1万5,000円)も用意。3段目のつまみのみを集めた「おつまみセット」(5,800円)もそろえる。
料理長の稲毛さんは「地域の恒例化・核家族化などに伴い、3段では食べきれない利用客の声を聞き、今年は少人数でも楽しめるような構成にした。夫婦2人などにも本格的なおせちを楽しんでほしい」とも話す。料理の構成については「50年の歴史のある看板に恥じない、きちんとした料理を提供していく。その中でも、遊びや新しいことが許される部分では、和や魚にとらわれず、大いに楽しんでもらえる料理を考えている」とも。
予約開始後2週間がたった現在、予約数が多いのは3段おせちだという。陦さんは「多くは予約を開始してすぐに常連さんの予約が入る。今年はフェイスブックを利用した告知も行ったため、新しいお客さまから多くの注文も頂いた」と話す。「おせち料理は大みそかの朝に仕上げるため、ほぼ寝ないで2日間全員が作業する大仕事。従業員はもちろん、心配になって常連客が手伝いに来ることもしばしば。今後も地元の人々に愛される料理とサービスを提供していきたい」と話す。
おせちの予約受け付けは12月25日まで。おせちはなくなり次第修了。