かるた日本一決定戦-葛飾区の会社員が大会史上初の11連覇

11連覇を果たした西郷さん。集中力を持続させるコツを「メリハリをつけること」と話す。

11連覇を果たした西郷さん。集中力を持続させるコツを「メリハリをつけること」と話す。

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 小倉百人一首競技かるたの日本一を決める「第55期名人位決定戦」が近江神宮(滋賀県大津市)で1月に開かれ、葛飾区の会社員西郷直樹さん(30)が史上初の11連覇を達成した。

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 同大会は巻頭歌を詠んだ天智天皇を祭る近江神社で毎年1月に行われる大会。地区ブロックのトーナメント式で勝ち上がった挑戦者が、名人に挑戦するもの。西郷さんは19歳のときに初出場し、20歳のときの44回大会から優勝を続け、今回で11連覇を達成。今までの名人では10連覇まではあったが、11連覇は史上初の快挙となる。

 同大会のルールは自陣に配置された札を取り尽くしたほうが1セットを先取するもの。5セット中3セット先取で勝ちとなる。1セットの時間は1時間30分以上に及ぶこともあり、朝から夜まで座り続けることも。西郷さんは「札の取り合いや照明の熱でかなりの運動量になる。試合が終わるころには2キロ体重が減ることもある」と競技の過酷さを明かす。

 かるたは、「スポーツのようなもの」と西郷さん。「集中力や記憶力、瞬発力だけでなく、戦略なども必要で奥深い競技。若いときに比べれば瞬発力は衰えているかもしれないが、それをカバーする戦略を立てることも重要。今後も連覇していきたい」と意気込みを見せる。

 西郷さんは大分県出身で、兄の影響で百人一首を始める。大学進学時にはかるたを続けようと特別意識をしていなかったが、「大学のサークルのメンバーがいい人たちが多く、縁があって続けることができた」(同)と話す。

 その後就職や結婚などもありながら王座を維持してきた。妻と知り合うきっかけもかるただった、と笑いながらエピソードを披露。「家族や同僚からも理解があり、みんなで応援してくれる。それが励みになった」(同)と感謝の気持ちを言葉にする。

 そうした西郷さんの「お気に入り」の一首は、崇徳院の一首。理由は、「百人一首には『せ』を使う部首がこれひとつしかない。だから百人一首を覚える人は、まずこれを覚える。自分もこれが百人一首の世界に入るきっかけになった」と振り返る。「別れた川の流れも、また一緒になることがあるという恋の歌という奥深さも好きだ」とも。

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