葛飾区白鳥のシャディサラダ館白鳥店(白鳥2)で4月2日、「子どもの力を育むアナログボードゲーム講座」が開催された。
同店では、2015年夏から毎月1回アナログボードゲームで遊ぶ交流会を実施。今回は、ドイツのアナログボードゲームを輸入し販売する傍ら、普及活動もしているKleeblatt(大阪府吹田市)社長の畑直樹さんを招いて講座を行った。
もともと保育士でもあった畑さんは、20年間保育士として勤めた後、保育の勉強のために渡独。そのときに、多種多様なアナログボードゲームが日常的に遊ばれている光景を目の当たりにしたことがキッカケで、現在、全国各地で保育の現場にも取り入れた考え方や遊び方を伝えている。
アナログボードゲームというと、運任せの内容や1回遊ぶのに時間がかかる印象があるが、年間1000種類もの新作が出るドイツなどのアナログボードゲームをはじめとするゲームは、大人も子どもも真剣に楽しめる要素や短時間で遊べる気軽なものも多い。そういったさまざまなアナログボードゲームをヒントに、福祉・教育・保育の現場で生かしたい人と、家庭で上手に楽しみたい人向けの2種類に分けて、実際に遊びながらの講座となった。
「子どもと遊んだ後に、次もやろうと言われて、また今度ねと言いがちだが、それをすぐに実行して遊んでいけば、待てる子に育つ」と、子育てにも応用できる例を紹介。ほかにも、「認知症の方やお年寄りの方と遊べるゲームは?」「親が子どもに遊び方を説明するときのコツは?」などの質問が参加者から挙がり、質問に応じた。
講座の終わりに、「大人になっても、人と向かい合って遊んだ記憶は忘れない。子どものときの楽しかった思い出は、文化として次の世代につながれていく。その文化の『手渡し』の一助を担っていきたい」と、参加者にあらためて遊びの持つ力について伝えた。
参加者の一人は「忘れかけていたコミュニケーションを思い出させてくれた。昔の遊びも今社会で役立っているんだなと思えた」と、アナログボードゲームの魅力を見直したという。
主催者の大木一弘さんは、「アナログボードゲームの魅力は、子どもも大人も混ざって多世代で遊べるところ。ルールにのっとりコミュニケーションを図りながら遊ぶことで、社会性や考える力を育んでいける」とし、「定期的な交流会や講座を開いて、地域の人同士や多世代で楽しめる場をつくっていきたい」と、アナログボードゲームを通じた地域との関わりの可能性を語った。