葛西神社(葛飾区東金町6)で11月2日、「酉(とり)の市」が行われた。
同神社の「酉の市」は大正時代から始まったもので、区内では最大規模の参拝客数を誇る。同神社では区内の熊手販売の業者が軒を連ね、1,000円から5万円以上までのさまざまな熊手を軒先に飾る。
熊手販売を担うスタッフのひとりは「今年は三の酉まであるので一の酉は静か。毎年買っていただくお客さんのために特製のものを作ることもある。価格などは、その企業との秘密」と話す。主な利用客は会社経営者や自営業者が多く、中心価格帯は1万円~3万円のものがよく売れるという。
同神社では「酉の市」の期間、都の無形文化財である葛西ばやしの演奏を神楽殿で行う。葛西ばやしは現在の祭ばやしの祖として知られ、現在は発祥の地である同神社で練習と発表を行う保存会によって演奏されている。
葛飾に引っ越して以来30年間、毎年熊手を購入する60代の男性は「浅草や花畑と異なり、大きく混雑することなくじっくりと物が見られる。おはやしを聞きながら来年の商売の祈願するのが恒例。今年は震災などの影響で厳しい会社も多かったと思うが、神頼みの一つでもして次のステップに上がっていかなくては」と話す。
今年は二の酉が今月14日、三の酉が同26日に行われる。開催時間は8時~23時。