柴又帝釈天境内(葛飾区柴又7)で8月24日、「寅さんまつり」の大盆踊りコンテストが行われた。主催は寅さんまつり大会委員会。
同コンテストは、8月22日から24日の3日間に開催される「寅さんまつり」の一環で行われたもの。映画「男はつらいよ」にちなんだ盆踊り曲「寅さん音頭」ができたのをきっかけに始まり、今回で31回目。団体戦の優勝者にはトロフィーと賞金3万円が進呈されるなど、豪華賞品が用意されるため、境内には幼児から高齢者まで浴衣を着た男女でにぎわった。
開幕に当たり、実行委員会会長の大畑治郎さんは「この祭りを通して、皆と一緒に柴又を少しでも明るくしていきたい。柴又が明るくなれば葛飾全体も活気付くと思う」と話した。来賓の青木克徳区長は、「子どもたちはあと1週間で夏休みが終わり。今日は思い切り楽しんで、明日からは夏休みの宿題を頑張ってほしい」と場内の笑いを誘った。
同コンテストは19時から、団体の部、個人の部に分けて開催。個人の部は「幼児」「子供」「大人」の3部門で踊りの技を競いあった。課題曲は「寅さん音頭」と「葛飾音頭」「大東京音頭」の3曲。審査委員によると、評価の基準は「手先が美しく伸びていること」「顔が手先を見ていること」「背筋が伸びていること」にあるという。さらに審査委員によっては「太鼓に合わせてリズムに乗ることができているか」や、「すてきな笑顔でアピールすることができているか」も検討材料にする。
結果発表の際には境内にエントリー番号の記されたうちわを持つ男女があふれ、司会の桜チョメ吉さんが入賞者のエントリー番号と氏名を読み上げるたび、歓声とどよめきが沸き起こった。団体部門の優勝者は、おそろいの花柄の浴衣を身につけた中学生女子6人組の「フラワーショップス」。個人の部・子供部門優勝者は小学6年生の倉田愛梨さん。大人部門は今年初出場の中学1年生・富田莉緒さんが優勝を飾り、この道数10年のベテランの踊り手たちを差し置き、小中学生が強さを見せる結果となった。
個人の子供部門を勝ち抜いた倉田さんの両親は、「友達の母親にボランティアで盆踊りを教えてくれる人がいて、彼女の元に毎週通って踊り方を教わっていた。この日のために1年間練習したかいがあった」と喜び、トロフィーを抱えた娘の晴れ姿を何枚も撮影した。
大人部門優勝者の富田さんは、初出場ながらの優勝に「とてもうれしい。また来年も挑戦したい」とはにかむ。やぐらの上から盆踊りを見ていた桜チョメ吉さんは「大人部門ということでベテランもたくさんいたが、その中でも特に目を引くうまさだった」と彼女の踊りを評価した。
大会の運営を務める、葛飾区観光協会の斉藤勝治会長は「この大会で優勝するために、踊りの技を教え合うコミュニティーがいくつもできている。地域のつながりを強化するきっかけにもなっているのではないか」と話す。「継続は力なり、ということでこれからも続けていきたい」と意欲を見せた。