葛飾・西新小岩にある特別養護老人ホーム「すずうらホーム」(葛飾区西新小岩3)で1月29日、「にじいろマルシェ」が開催された。
同施設では毎年、近隣に住む人たちの協力を得て納涼祭などを行ってきたが、この2年は新型コロナウイルス感染症の影響で開催できない状態が続いていた。生活相談員の佐久間千秋さんは「入所している利用者もデイサービスの利用者も外出が難しい状況。利用者の方が社会とつながるきっかけにできないかと思った」と経緯を話し、マルシェ開催に至ったという。
当日は感染症対策のため全て屋外の敷地内で行い、同施設の手芸クラブによる小物販売、併設している「うらら保育園」のつぼ焼き芋、元保育園職員による野菜販売「でこぼこマーケット」、奥戸福祉館の「パン工房ももちゃん」、就労継続支援B型事業所「叶夢珈琲(かなんコーヒー)」などが出店した。
同施設が地域の人と協力してイベントを開くことは防災対策の一環もあるともいい、佐久間さんは「西新小岩は海抜ゼロメートル地帯なので、水害などがあると孤立する可能性がある。近隣住民の方が助けを求めてくるという想定もあるので日頃から繋がり防災の場として知ってほしい。高齢者施設は入りにくいイメージがあるので、入りやすい開かれた施設を目指す」と意気込む。
同じく生活相談員の水野菜緒美さんも「何かあった時に近隣の方を守るためにも施設の存在を知ってほしい。こういった機会を持ち続けて町会の方とも顔を合わせ、この施設が高齢者を抱える方だけでなく、これから介護へ向かう過程の方や葛飾区に住み始めた方にもこういう施設があることを知ってほしい」と思いを話す。
水野さんは「保育園の保護者や高齢者施設の家族が来てくれて、こういう機会を待っていたという声を頂いた。開始1時間で完売するところもあり、混み過ぎない丁度いい客足だったと思う」と手応えを話す。
近隣に住む40代の女性は「いろいろな物が並んでいて、なかなか自分では探せないものが多かった。見ているだけでとても楽しい。今後も地域交流の場になれば」と感想を話していた。