タカラトミー(葛飾区立石3)は8月27日、「バウリンガルボイス」を販売する。
同商品は2002年に発表した犬語翻訳機「バウリンガル」の最新版。同商品は30万個のヒット商品となり、ノーベル賞のパロディー版で、人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究に贈られる「イグノーベル賞」も同年受賞している。
同商品の開発には日本音楽研究所(渋谷区)、インデックス(世田谷区)、獣医師の野村潤一郎さんが協力した。新商品では、液晶表示だけでなくプログラムされた犬の感情を音声で表現する点が特徴。動物の感情を分析した6つの感情(楽しい・悲しい・フラストレーション・威嚇・要求・自己表現)をリアルタイムで分析し、分析結果を日本語に置き換えた音声が流れる仕組み。音声は声優があらかじめ吹き込んだオス・メスの各100パターン、合計200パターンを用意する。
開発に携わったニュープロダクト開発チームの和田香織さんは「犬の知能は人間の4歳児程度と言われており、声の表現も人間の同年齢程度が話すようにかわいく工夫した」と話し、「犬の鼻で鳴く音にも感情があり、感度を上げないと音を拾えない。逆に感度を上げすぎると誤操作などを起こすので、その調整が難しかった。社員や近所の公園で何度もモニターテストを行った」と開発時の苦労を振り返った。
話す音声も感情の一定の蓄積がされると、語彙(ごい)力が増え「チューして」「キモいー」などの表現が豊かになるという。そのほか、留守中の1日の感情を記録する「るすばんモード」など8つのコンテンツを搭載。前作はFM波で送信していたデータをデジタル波にすることにより、ドッグカフェや公園のドッグランコーナーなどでも仲間同士で複数利用できるようにした。
2007年から2年をかけて開発された同商品。現在の犬の登録件数は小学生の総児童数より多く、不景気の中でもペットに費用を使う家庭の増加が開発の背景にある。同商品では、20~30代の女性をメーンターゲットに据える。
和田さんは「以前は液晶画面の文字を通しての『翻訳』だったが、今回は音声を通しての『通訳』しているので、犬とコミュニケーションしやすいように工夫している。愛犬家と犬の距離がより近づいてくれれば」と期待を寄せる。
色はグリーン・ピンク・ブルーの3色。価格は19,950円。