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かつしかFMが「24時間ラジオ」生放送-開局以来初、前向きに災害へ備えるきっかけに

企画を担当した谷さん(左)と佐々木局長

企画を担当した谷さん(左)と佐々木局長

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 葛飾エフエム放送(=かつしかFM、葛飾区立石5)が3月11日、開局以来初となる「24時間ラジオ」を生放送する。

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 同局は1996年に設立。1995年に発生した阪神淡路大震災を受け、地域の情報をいち早く発信するコミュニティーFMが各地で立ち上がった。区内でも「防災」をキーワードにした地域の情報発信源としてのラジオ放送の需要が高まり、区や商工会議所などが協議し、民間から出資を募る形で設立された。

 当日は「災害に備える日」をテーマに午前7時30分、放送開始。9時過ぎに震度6の地震が発生したと想定し、同局と協定を結んでいる本田消防署と連携して実際に震災が起きたと仮定した放送をする。番組のゲストに青木克徳葛飾区長をはじめ、区の防災課や広報課などの各課長、地元警察署や消防署・消防団の担当者や、「地震解析ラボ」の早川正士所長を招き、それぞれの立場から災害時の対策やアドバイスを話す。区立金町中学校(水元3)で行われる防災訓練の様子や、各所で区民に災害時の備えについて聞く中継リポートも予定。

 企画を担当した制作部の谷優香さんは「テーマはシリアスだが、防ぐことができない震災に対しどう備えるかみんなで考えるきっかけとなる前向きな内容にしたい」と意気込みを見せる。谷さんは大阪市豊中市出身で小学2年生の時に阪神淡路大震災を経験。「地震の恐怖に加え、高速道路の倒壊や家屋の火災などの被害状況をテレビで見てさらに怖くなった。映像ではなくラジオから人の声が聴けたらどれだけ安心できたか」と振り返り、3年前の東日本大震災時には同局に「音楽ではなくおしゃべりを聴かせて」とリスナーから要望があり、「声は人を安心させる」と実感したという。

 同局の佐々木啓子局長は「大地震は予知することや防ぐこともできないので、日頃からシミュレーションしておくことが大切。コミュニティーFMとして災害時は正確な身近な情報を速く伝えたり、ひとときの癒やしを届ける役目がある。今後も24時間生放送を定期的に行うなど、私たちが区民に身近な存在であることをPRしていきたい」と話す。

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